Yahoo!ニュース

井上智介

井上智介認証済み

認証済み

精神科医/産業医

報告

見解性被害に遭った時、ワンストップの支援はとてもメリットが大きいです。各々の支援現場で、内容を根掘り葉掘り何度も聞かれるのはかなり疲弊します。 なので、今回の事態は残念ですが、その背景に医師の働き方改革による支援の難しさも浮き彫りに。即刻の感染症検査や証拠採取の困難さは歯痒いですが、緊急避妊薬の処方を優先しオンライン診療をどうワンストップに組み込むかが肝かも知れません。 ただ、すぐに被害者から支援を求める勇気が出ないこともあります。そのような時に重要なのは『最初の聞き手の態度』です。それは家族や知人だったりするでしょう。 具体的には、被害者の心痛を否定せず受け止め、「あなたは悪くない、ひとりじゃないよ」と伝える姿勢です。周囲の共感的な態度が「自分を理解してくれる人がいる」と感じ、その後に「警察に言ってみようかな…病院に行ってみようかな…」とさらなる支援を求める勇気につながるのです。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

コメンテータープロフィール

兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。

井上智介の最近のコメント