見解海上保安庁は、船舶の安全や海上での犯罪に関して捜査権限等があり、今回、それに基づく逮捕ということになります。 常識的にみれば、運行会社のずさんな管理体制が沈没事故につながったことは明らかなように思われます。ただし、正確な沈没原因の解明や、社長の対応が刑事責任を問うことのできるまでの過失といえるかの判断、それを支える証拠の収集は、困難であることが通例です。事故発生から2年半近く経って、ようやく強制捜査に至ったわけですが、この間、事故調査にあたった運輸安全委員会の判断なども踏まえながら、慎重な捜査が重ねられてきたものと思われます。 今後、起訴されることが想定されますが、その場合、公判で何が明らかにされるのか、など、事態の推移が注目されます。
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コメンテータープロフィール
1969年愛知県生まれ。東京都立大学法学部卒業、博士(法学・東京都立大学)。専門は刑事法。近年は情報法や医事法にも研究対象を拡げている。著書として『放火罪の理論』(東京大学出版会・2004年)、『防犯カメラと刑事手続』(弘文堂・2012年)、『現代社会と実質的刑事法論』(成文堂・2023年)、『アメリカ刑法』(訳・レクシスネクシス・ジャパン・2008年)など。
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