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東野篤子

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筑波大学教授

報告

ボレル上級代表が指摘するとおり、EU加盟には長い時間がかかります。まず、「政治基準」「経済基準」「EUの法体系の受け入れ」という加盟基準があります。そして実際に加盟申請が行われれば、その国が加盟候補国としての資格を有しているか否かを検討し、予備交渉を行い、35に渡る政策領域(章)の交渉を行い、加盟国の全会一致で加盟を決定し、加盟条約に署名し、そしてようやく加盟…と、非常に長いプロセスが待ち受けています。さらに、セルビアやモンテネグロなどはすでに加盟交渉をしていますし、北マケドニアやアルバニアは加盟交渉を待っている状態。ジョージアは加盟申請はまだですが、全般にウクライナより国内改革が進んでいます。ここで、いかに緊急事態とは言え、ウクライナを特例扱いできるかどうかは非常に難しい問題です。おそらく、EUはなんらかの関係強化策は打ち出すでしょうが、それは即座の正式加盟とは異なるものでしょう。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 今井佐緒里

    欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者

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  • 吉田徹

    同志社大学政策学部教授

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コメンテータープロフィール

ヨーロッパ統合論、ヨーロッパの国際関係、国際政治。EU・中国関係、EUのEastern Partnership(EaP)、EU・ロシア関係など、EUの対外政策を中心に研究。発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

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