Yahoo!ニュース

東野篤子

東野篤子認証済み

認証済み

筑波大学教授

報告

見解この記事のタイトルは、「もっと早く」ウクライナに侵攻すべきだった、というプーチンの発言を引用していますが、今回の記者会見でより注目すべきポイントは「より体系的に準備しておけばよかった」という部分ではないでしょうか。つまり、短期間のうちにウクライナを支配下に置けると思い込んで開始した侵攻が、予想をはるかに上回る長期化の様相を呈していることに対する後悔の念が示されたものでしょう。 自国の兵士にもこれだけの犠牲を出しておきながら、現在のプーチン大統領から出てくる言葉が「もっと準備すればよかった」ということなら、次は「もっと準備したうえで再侵攻を行う」とプーチンが考えているとしてもおかしくないでしょう。ウクライナからすれば、プーチンが「もっと準備すればよかった」ではなく、「そもそも侵略などすべきではなかった」と後悔するのでなければ、ロシアによる再侵攻をいつまでも恐れ続けなければならないのです。

コメンテータープロフィール

ヨーロッパ統合論、ヨーロッパの国際関係、国際政治。EU・中国関係、EUのEastern Partnership(EaP)、EU・ロシア関係など、EUの対外政策を中心に研究。発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。

関連リンク(外部サイト)

東野篤子の最近のコメント

  • 東野篤子

    筑波大学教授

    見解今回のジョージア政府の方針転換には、様々な情報が錯綜しており、「2028年までの加盟交渉凍結」が具体…続きを読む

    こちらの記事は掲載が終了しています

  • 東野篤子

    筑波大学教授

    補足誤解がないよう再三書いておかねばならないと思われますが、今回ウクライナ支援に用いられる4719億円の…続きを読む

    こちらの記事は掲載が終了しています