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縣秀彦

縣秀彦

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自然科学研究機構 国立天文台 准教授

報告

解説太陽活動が極大期を迎えようとしています。発達した太陽磁場の影響で黒点が多数発生し、太陽表面で蓄えられたエネルギーが開放されています。それがフレアです。フレアが発生すると、その向きによっては、莫大なエネルギーが地球に向かいます。フレア発生から8分程度で強力な電磁波(特にX線)が到達します。地球大気のうちの電離層が乱れ、電波通信のうちの短波での障害などが発生します。 フレア発生からさらに数日後には、強力な太陽風が地球に届きます。太陽風とは荷電粒子(陽子やヘリウム原子核)のことです。地球の周囲には地球磁場があり、通常状態の太陽風の進入を防いでいますが、今回のように桁違いに粒子数の多い、フレア爆発に伴う高速太陽風になると、地球磁場のみではその進入を防ぎ切ることができません。地球磁場が大きく乱れ、通常では極域周辺の高緯度地方にしか出現しないオーロラが、緯度が下がった世界各地でも観測されています。

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コメンテータープロフィール

縣秀彦

自然科学研究機構 国立天文台 准教授

1961年長野県大町市八坂生まれ(現在、信濃大町観光大使)。NHK高校講座、ラジオ深夜便にレギュラー出演中。宙ツーリズム推進協議会代表。国立天文台で国際天文学連合・国際普及室業務をを担当。専門は天文教育(教育学博士)。「科学を文化に」、「世界を元気に」を合言葉に世界中を飛び回っている。

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