見解いわゆるウクライナ敗戦論には、一つの盲点があると考えている。 確かに、戦場ではウクライナ側の劣勢に転じつつあることを伝える情報が増えてきている。ロシア側が突破口を開き、占領地を拡大する可能性もあるのかもしれない。 ただ、ロシア軍が一時的にウクライナ領を広範囲に制圧できたとしても、ロシアが長期にわたりウクライナを占領統治するのは不可能ではないだろうか。ロシアはそんな軍事的・行政的リソースは持ち合わせていないだろう。住民の抵抗も強烈なものになるはずだ。 占領地の拡大は、プーチン・ロシアにとっても悪夢の始まりとなろう。
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コメンテータープロフィール
1964年静岡県生まれ。主な著作に、『不思議の国ベラルーシ ―ナショナリズムから遠く離れてー』、『ウクライナを知るための65章』(共編著)など。趣味は音楽鑑賞(主に1950~1970年代のソウル、ロック、ポップス)と、サッカー観戦(清水エスパルスのサポーター)。