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服部倫卓

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北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授

報告

見解アルメニアは、便宜的にロシア陣営に属していたが、強権政治体制で欧米と対立しているといった国ではない。むしろ、欧米にはアルメニア系ディアスポラが多いこともあり、欧米との紐帯はそれなりにある。 そうしたアルメニアが、軍事、経済面でロシア主導の枠組みに加わってきたのは、ひとえに、ナゴルノカラバフをめぐってアゼルバイジャンと敵対する中で、ロシアの軍事的後ろ盾を必要としたからだった。 同紛争で、ロシアがアルメニアを見放し、アルメニアの敗北を傍観するのみであった以上、この成り行きは必然であろう。 ただし、目下ロシアはウクライナにかかり切りになっているわけだが、仮にそれが一段落し余力が生じたら、ロシアは再びアルメニア方面の工作を強化することになると見る。

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  • 今井佐緒里

    欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者

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  • 佐々木正明

    大和大学社会学部教授/ジャーナリスト

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コメンテータープロフィール

服部倫卓

北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授

1964年静岡県生まれ。主な著作に、『不思議の国ベラルーシ ―ナショナリズムから遠く離れてー』、『ウクライナを知るための65章』(共編著)など。趣味は音楽鑑賞(主に1950~1970年代のソウル、ロック、ポップス)と、サッカー観戦(清水エスパルスのサポーター)。

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