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韓東賢

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日本映画大学教員(社会学)

報告

まず前提として、差別問題において被差別側に原因や対策を求めるのは「アドバイス」として間違いだ。 水原さんは、アメリカ人の父と韓国人の母の間にアメリカで生まれ、オードリー・希子・ダニエルと名づけられた。その後、母のホームタウン神戸で育ち、両親の離婚を経て、ある時期から母方の姓を取り水原希子と名乗るようになったという。 常識的に考えると、おそらく母親は日本生まれの在日コリアン。普段から水原姓を使い、娘に希子と名づけるのは自然なこと(韓国で今はほとんど「子」とつけない)。彼女にとって水原希子という名は、「芸名」というよりナチュラルに「自分の名前」なのだろうと思う。 ネイションの枠組は様々で、移動や出会いによって多様な可能性がある。さらに名づけ、名乗りは、ネイションにかかわらずとも個々人の様々な事情や選択がありうる(そもそも日本風の「芸名」は「日本人」の専売特許だろうか)。より広い想像力を。

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コメンテータープロフィール

韓東賢

日本映画大学教員(社会学)

ハン・トンヒョン 1968年東京生まれ。専門はネイションとエスニシティ、マイノリティ・マジョリティの関係やアイデンティティ、差別の問題など。主なフィールドは在日コリアンのことを中心に日本の多文化状況。韓国エンタメにも関心。著書に『チマ・チョゴリ制服の民族誌(エスノグラフィ)』(双風舎,2006.電子版はPitch Communications,2015)、共著に『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』(2022,有斐閣)、『韓国映画・ドラマ──わたしたちのおしゃべりの記録 2014~2020』(2021,駒草出版)、『平成史【完全版】』(河出書房新社,2019)など。

韓東賢の最近のコメント

  • 韓東賢

    日本映画大学教員(社会学)

    記事で明らかになった吉野家の問題点は、まず、名前などから国籍を勝手に判断したことだ。当該の大学生はS…続きを読む

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  • 韓東賢

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    そもそもは文科省が2003年の大学入学資格の弾力化に際し、各種学校カテゴリーのインターナショナルスク…続きを読む

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