この、レーベル移籍とは何でしょうか。音楽アーティストは、所属する事務所とは別に、通常は特定のレコード会社(レーベル)に専属します。専属期間中は、そのレーベルからしか音源は出さない(出せない)という契約ですね。AKBはその専属先を15年ぶりに変えるわけです。 移籍のメリットは何かといえば、当然世界展開やグループ間のコラボなど新たなチャンスを求めて、ということになるでしょう。一方、移籍のリスクはというと、専属期間中に収録した音源の権利(原盤権と言います)は、元のレーベルが管理し続けるケースが多い。その場合、例えば過去の音源も含めた展開がしにくい。あるいは、不本意な形で過去のベスト盤などを出されてしまう、といったトラブルがよくあります。 もうひとつ、世界的レーベルの場合、ビジネス決定が遅い・硬直的といった可能性がありますが、恐らく、それらも含めて勝算があっての移籍、なのでしょうね。
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コメンテータープロフィール
弁護士(日本及びニューヨーク)。骨董通り法律事務所 for the Arts 代表。日大芸術学部・神戸大学大学院・iU・CATで客員教授。専門はエンタテインメント・メディアの法律と契約、著作権法、肖像権・メタバースなど情報法。 内閣府知財本部・文化庁ほか委員。デジタルアーカイブ学会法制度部会長、JPASN常任理事、エンタメロイヤーズネットワーク理事。近著『18歳の著作権入門』(ちくま新書)、『エンタテインメント法実務』(弘文堂・編著)、『ロボット・AIと法』(有斐閣・共著)ほか。
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