ニュース記事は、できるだけコンパクトにまとめようとして、物事の大事な経緯をはしょることがある。この記事もそうだ。 確かに、本件は「宗教2世」の窮状が知られるきっかけにはなった。だが、その窮状が山上家特有のものではなく、旧統一教会の高額献金によって多くの信者家族が苦しめられていると、多くの人に伝えたのは、事件とは関わりのない「2世」たちの勇気ある証言だった。それが世論を動かし、被害救済法の制定に結びつけた。 山上被告本人も、問題を世に訴えようという動機はなかっただろう。弁護団は事件に関する発言を控えており詳細は不明だが、「2世信者救済を願う」というのも、事件と関係ない一般論でさほど大きな意味は感じられない。 ただ、孤独だった彼に多くの手紙が届いたことで、その心境に変化が芽生えつつあるのかもしれない。時間をかけ、どうすれば凶行を避けることができたか、彼自身で考えてもらいたいと思う。
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コメンテータープロフィール
神奈川新聞記者を経てフリーランス。司法、政治、災害、教育、カルト、音楽など関心分野は様々です。2020年4月から神奈川大学国際日本学部の特任教授を務め、カルト問題やメディア論を教えています。
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