補足衣笠祥雄さんの現役時代はテレビの中でしか知りませんが、引退後は朝日新聞で長く野球評論をしてくださいました。いつもスコアブックをつけながら、深く細かく野球に向き合っていらっしゃる姿に感銘を受け、勉強させていただきました。シーズン前に新しいスコアブックと記録帳をご自宅にお届けするのが、ぼくの大切な役目だった時期もあります。毎日の結果を自分で書き込んでいく記録帳も、丹念に続けられていました。きっと現役時代もそういう姿勢でご自身のプレーに向き合っていらっしゃったのでしょう。 宗山塁選手の取材をしていて、野球に正面から向き合い、突き詰めていくような姿勢を感じることがよくあります。プレイヤーとしてのタイプは違いますが、衣笠さんに相通じる部分が確かにあるような気がします。宗山選手がカープに入団するかどうかはわかりませんが、野球の素晴らしさ、奥深さを届けてくれる選手になって欲しいと願い、期待したいです。
コメンテータープロフィール
1965年、岐阜市生まれ。立教大学卒、筑波大学大学院修了。元・朝日新聞編集委員。高校野球を30年以上にわたって取材し、松坂世代や決勝再試合など数々の名勝負に立ち会ったほか、大会運営や100回史(朝日新聞出版)の編集に携わる。メインライターを務めた名勝負連載「あの夏」や「高校野球メソッド」は書籍化された。プロ野球や大学野球、大リーグ、第1回WBCも取材。アテネ五輪では柔道などを担当し、日本の金メダル16個のうち12個の取材に携わった。現在は(株)文化工房（テレビ朝日グループ）のスポーツライター・プロデューサー。
