補足ぼくも現地で宗山塁選手の様子を見ていましたが、努めて冷静に、しかし、決して無理する感じでもなく、ごく自然に無表情を貫いていました。それは、ある意味、スポーツ選手にとって重要な資質だとも思います。宗山選手はグラウンド上でも常に冷静に、淡々と、しかし、極めて高いレベルで攻守にわたってプレーしています。先週のリーグ戦で珍しくガッツポーズを見せたので、報道陣から「珍しく感情を表に出した意図は？」と質問が出たほどです。 「仲間から、盛り上げて欲しいという話があったので。自分の感情を崩すわけじゃないですけど、チーム全員がのっていくような雰囲気を作るのも必要かなと思ったので」というのが宗山選手の回答でした。楽天のユニホームを着ても、彼のスタイルは変わらないでしょう。やがては、静かに、しかし、熱く燃えるリーダーとして、球界を引っ張る選手になっていくと楽しみにしています。
コメンテータープロフィール
1965年、岐阜市生まれ。立教大学卒、筑波大学大学院修了。元・朝日新聞編集委員。高校野球を30年以上にわたって取材し、松坂世代や決勝再試合など数々の名勝負に立ち会ったほか、大会運営や100回史(朝日新聞出版)の編集に携わる。メインライターを務めた名勝負連載「あの夏」や「高校野球メソッド」は書籍化された。プロ野球や大学野球、大リーグ、第1回WBCも取材。アテネ五輪では柔道などを担当し、日本の金メダル16個のうち12個の取材に携わった。現在は(株)文化工房（テレビ朝日グループ）のスポーツライター・プロデューサー。
