ストーカー殺人 120回講演した父
桶川ストーカー殺人事件25年「もういいよ、という詩織の声が聞こえてこない」 がん患った父が続けた講演120回、娘が愛した「ひまわり」に込めた願いは―
47NEWSおよそ25年前の1999年10月、埼玉県桶川市で大学生の猪野詩織(いの・しおり)さん=当時(21)=が元交際相手の兄らに刺殺された「桶川ストーカー殺人事件」が起きた。この事件をきっかけに、ストーカーの対策強化を求める社会の声が高まり、翌2000年には「ストーカー規制法」が成立。その後も法整備が進んできたが、警察への被害相談件数は近年、年間2万件前後と高止まりの状態が続く。詩織さんの父憲一(けんいち)さん(74)は事件後、2度のがんを患いながらも、当時浮き彫りになった警察の不適切な捜査や、報道被害について120回に及ぶ講演活動を続けてきた。心の拠り所となったのは、笑顔が絶えなかった娘が愛した「ひまわり」の花。そこに込められた願いとは―。(共同通信=井上昂星)