サブスクチャートの席巻、初期からの多数のMV公開、相次ぐタイアップ曲のリリース――。「Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)」、通称「ヒゲダン」の歩み、そして音楽に賭ける真摯な姿勢は、「サブスクを席巻する『ヒゲダン』――元営業マンや元警察嘱託職員が島根を出た日」で紹介した。その記事に掲載しきれなかった写真を、ここでは掲載する。(撮影:曽我美芽)
大ブレイク中のバンドであることを忘れそうになる気さくさ
夏の終わりの柔らかくなった日差しがスタジオを照らす9月末行われた、ヒゲダンの撮影。気取るところのないメンバーたちは、スタッフとも談笑し、スタジオには笑い声も響く。しかし、ひとたび本番が始まると、カメラマンのリクエストに沿って、ときに真剣な表情で、ときにリラックスした表情でさまざまなポーズを取ってくれた。
実際のメンバーたちは、驚くほどの好青年揃いだ。彼らが大ブレイク中のミュージシャンであることすら、一瞬忘れてしまいそうになる。しかし、スタッフとの会話には自然とテレビ収録や雑誌取材の話題が出る。そう、彼らはやはり今をときめく「ヒゲダン」なのだ。
『Pretender』に内包された新旧の洋楽の要素
ヒゲダンの大ヒット曲である『Pretender』について、興味深い話をしてくれたのは、ボーカル・ピアノの藤原聡だ。
「番組の制作の方とか、映画のプロデューサーからアイデアをもらうことも多いんですよ。たとえば『Pretender』は、『ザ・フーのイメージ』って言われたのがヒントになって、ザ・フーの『Won't Get Fooled Again』という曲のイントロのシンセサイザーのフレーズを、ギターに取り入れました。Bメロでやってるアプローチは、チャンス・ザ・ラッパーの『Sunday Candy』に近いんです」
ザ・フーは、1960年代から活動するイギリスのバンド。チャンス・ザ・ラッパーは、現在大人気のアメリカのヒップホップのアーティストだ。2019年のJ-POPを代表するヒット曲である『Pretender』だが、実はそこには新旧の洋楽の要素が織り込まれている。映画『コンフィデンスマンJP』の主題歌、つまりタイアップ曲であっても、ヒゲダンがミュージシャンとしてのエゴを堅持する所以だ。
撮り下ろし未公開ソロショットを掲載
以下に、今回の取材で撮影したヒゲダンのメンバーの未公開ソロショットを掲載する。さまざまな表情を見せるメンバーたちの姿をぜひ見てほしい。