スリランカ、インフレ率は50%を超え、政府支持率はわずか3%に
スリランカは経済危機に見舞われている。政治腐敗、失政、コロナの大流行やロシアのウクライナ侵攻などが重なり、出口が見えない状況が続いている。そんな中、スリランカの現状を表す数値データが発表された。
1つ目は、スリランカ中央銀行が発表したインフレ率の数字だ。スリランカのインフレ率は、2022年5月の39.1%から6月には54.6%まで上昇した。スリランカのインフレ率が50%を超えたのは、1954年以来初めてとなる。スリランカ中央銀行によると、この前年比インフレ率の上昇は、食料品と非食料品の双方が月々上昇したことによるものだ。2022年5月に57.4%だった対前年比の食品インフレ率は、6月には80.1%に上昇し、非食品インフレ率は2022年5月の30.6%から6月には42.4%に上昇した。特に燃料不足は深刻で、老若男女すべての年齢層の日常生活や、教育・生産活動に影響を与えている。
2つ目は、スリランカの独立系調査会社ベリテリサーチが実施した2022年6月の「世論調査(Mood of the Nation)」の調査の結果だ。
それによると、「現政府のやり方に賛成か反対か」という質問に対して、賛成と答えた人はわずか3%しかなかった。今年1月の調査では、この評価は10%だった。次に、「一般的に、スリランカの現状に満足しているか、不満か」という質問に対して、「満足している」と回答したのはわずか2%で、この評価は今年1月には6%だった。さらに、経済の現状と軌道に関する選択式の質問では、「経済に対する信頼感」の値が、今年1月の調査でのマイナス83点からマイナス96点まで上昇した。
経済危機に見舞われたスリランカ関連のニュースが連日報道される中、今回発表された上記のデータは、スリランカの人々の現在の生活状況や経済・政治に対する国民感情を数値的かつより客観的に把握するための貴重な情報となることは間違いないだろう。
スリランカの課題はまだ山積している。政府は現在の難局を打開するためにIMFなどの国際機関と協議しているが、具体的な支援スケジュールはまだ明確になっていない。仮に支援が決定しても、増税などが実施される可能性もあり、今後の調査で上記の数値がさらに悪化することも十分考えられる。
(スリランカのあらゆる業種の人々が燃料不足で困っている現状を表した一コマ政治漫画)