月額・定額制で使い放題のサービスを20代はどこまで利用しているのか(2024年公開版)
インターネット技術の進歩と普及により音楽業界や映像業界などを中心に広まってきた、月額・定額制による使い放題のサービス。遊園地の年間フリーパスと仕組みは同じだが、利用のしやすさから多くの人に受け入れられ、一部の業界では業界の構造そのものを大きく揺り動かす影響力を持つまでに至っている。今回はSMBCコンシューマーファイナンスが2024年1月に発表した調査「20代の金銭感覚についての意識調査2024」(※)の結果から、20代における月額・定額制での使い放題サービスの利用状況を確認する。
最初に示すのは月額・定額制で使い放題のサービスにお金をかけているか、つまり利用している人の割合と、利用している人の平均額の実情。利用している人は42.9%となり、その平均額は1768円となった。
42.9%の人が利用しており、その月の平均金額は1768円。意外と少ないと思っている人もいるかもしれないが、1年で換算すると21216円とそれなりの金額になる。その金額に見合うだけのサービスを受けていると当人は思っているからこそ、利用し続けているのだろう。
経年推移を見ると、利用している人の割合も、利用している人の平均金額も増加する傾向にある(利用している人の割合は直近年で前年比マイナスとなったが)。まだ5回分しか調査されていないがその限りでは、より多くの人が、より多くの額を投入していることになる。
それでは具体的にどのようなサービスを利用しているのか。お金をかけている人限定で複数回答にて尋ねた結果が次のグラフ。
もっとも多くの人が使っているのは動画配信で60.6%、次いで音楽配信の51.7%、そこから値がずっと落ちてゲームの9.6%、美容・コスメが5.6%、メガネ・コンタクトレンズの5.4%。話題性の高い自動車は3.7%。
余談だが、各サービスの利用状況について、お金をかけている人限定ではなく調査対象母集団全体の値を試算したのが次のグラフ。例えば動画配信なら26.0%とあるので、20代全体の1/4強が月額・定額制で動画配信の使い放題サービスを利用したことがある計算になる。
やはりインターネット、特にスマートフォン上で気軽に使える、表現を変えると利用ハードルが低くついついお金をかけてしまう動画配信や音楽配信を利用する人が多いことが分かる。ニュースは1%以下で、実質的に誤差の範ちゅうでしかないのが実情ではある。
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※20代の金銭感覚についての意識調査2024
2023年12月13日から15日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女・20代前半と後半の区切りで均等割り当て。未婚者826人、既婚者174人。調査協力機関はネットエイジア。
今調査における「年収」とは特に設問中で定義がされていないため、世間一般に認識されている通り、手取り(所得)ではなくサラリーマンなどなら天引きされている税金や社会保険料を含めた金額を意味するものとする。また、世帯「主」年収ではなく、世帯年収であることに注意。回答者が所帯持ちだった場合、配偶者の収入も合わせてカウントされる。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。