スキマバイト急速拡大! スポットバイト市場は2,200万人 メルカリハロ500万人突破!
KNNポール神田です。
『スキマバイト』『スポットワーク』の市場が、古参の『タイミー』『シェアフル』以外にも、リクルートやメルカリの参入で急拡大していることがわかった。
『メルカリハロ』サービス提供開始から3ヶ月弱で登録者数500万人を突破
https://about.mercari.com/press/news/articles/20240416_mercarihallo-nationwide/
■幅広い年代に分布するスポットワーク世代
メルカリハロの調査によると、登録者の年代の属性が非常に広い。20代の3割としながらも30代40代50代と20%台と散らばる。
40代以上が、38.4%と4割を占める。
反対にアルバイトがメインとなる10代が、7.3%と1割を切っているのが特徴的だ。
人気の仕事としては、1位に物流倉庫、2位にスポーツジム・レジャー施設、3位にフードデリバリー、バイク便 といったように、『単純作業』で『時間単位』で労働力が計測できる職業に人気があるようだ。
調査の中でも、登録者の3割以上が、『会社員・団体職員』というのが衝撃的だ。つまり、社会人副業の登録者が1/3近くを占めているということだ。登録者の母数なので、実際に稼働しているかは不明だが、副業での労働意欲は十分にうかがえるだろう。
そして、実際に稼働したクルー(スポット労働者)の6割以上が初体験ということは、すでにある『タイミー』や『シェアフル』などのスポットワーカーではない人たちが新規で6割を占めるということは、新たなスポットワーカーの参入を意味している。
メルカリハロのサービスインは2024年3月6日より、1都3県の店舗での求人掲載を開始し、サービス開始から1ヶ月で登録者数が250万人を突破し、4月16日より全国展開したばかり。メルカリがスポットワーク参入、3ヶ月弱で500万人登録は、急拡大の労働人口が誕生したこととなる。
■スポットワークを頼む事業者側に必要な作業のマニュアル化
筆者も月に何度かは、スポーツジムに行く感覚でスポットバイトを体験している。
実際に『スポットワーク』の大半は、始業前の5分くらい前に指示されて1時間ほどして慣れてから次の仕事というような約2時間くらいで習得できるような仕事が多く、4時間もあれば誰もが一人前として活動できるような職種に人気が集まると感じている。
反対に複雑なオペレーションでは、スポットバイトに任せることができずに、管理する人材が必要となったりする。ある意味、スポットバイトに仕事をまかせるためには、ジョブのタスクを明確にして、マニュアルを読めば働けるくらいの事業者側の『マニュアル化』が必要ということでもある。
また、シンプルに既存のアルバイトさんとの時間給与バランスも必要となり、シフトに縛られない『スポットバイト』のほうが気軽で流動的なので人気があると、定着しているアルバイトさんの給与体系の見直しも同時に発生してくる。
『QRコード』をかざすだけで、タイムカードの打刻も発生せずに、雇用側も労働側も対等に相互評価できるという体系も単なる。今までのように、単に広告主がアルバイトを募集するという今までの労働とはまったく異なる環境だ。
スポットワーカーと呼ばれる労働者側も良い経験ができる職場であれば、リピーターとして戻ってくる。労働条件が『市場』よりも悪いと給与が高くても不人気ということがわかり、地域の労働条件がある意味、スポットワークで可視化されていくこととなる。
そして、単に時間と労働との交換だけではない、新たな就業経験という価値にもつながる。特に高齢者にとっては、健康のための軽作業という働き方とも相性が良い。
■大手のリクルートも本格参入は2024年秋頃。『エリクラ』は実証実験中
労働市場や転職市場での大手のリクルートは、二次流通をメインとする『メルカリ』とは違い、本来のアルバイトの『本業』との棲み分けに苦労がうかがえる。
リクルートの展開するスポットサービス『エリクラ』
https://erikura.net
『エリクラ』の特徴は単なるスポットバイトではなく、近所の人に数分から頼めるという10分単位の時間をアピールしている。
毎日、数10分という時間だけ必要な、アルバイトほどの時間を必要としない単純労働に『エリクラ』はフォーカスしていることによって『アルバイト』との差別化を図っている。
しかし、『エリクラ』は、
『本サービスは、リクルートの新規事業プログラムを通じて提案されたもので、現在は実証実験の段階にあります。サービスの継続は、一定条件や期間のもと判断されます』
…との但し書きがあるので、今後継続されるかどうかはわからない。
また、新たなスポットワークサービス『タウンワークスキマ(仮称) 』を2024年秋に提供開始というのも、『タウンワーク』の市場とのカニバリを警戒していることがよくわかるが、システム上では『Airシフト』の単発バイト募集機能や『indeedPlus』の求人配信プラットフォームなどを『スポットワーク』対応で実装しており、いつでもスタンバイは完璧な状態で参入時期と参入方法を伺っているとみるべきだろう。
リクルート『タウンワークスキマ(仮称) 』を2024年秋に提供開始
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2024/0513_14370.html
いずれにせよ、2024年、2200万人の登録ポテンシャルを持つ、『スポットワーカー』は、ジョブのタスクを細切れにして、余剰時間と報酬のプラットフォームで開放される新たな働き方改革のひとつとして広がり始めている。
一般社団法人『スポットワーク協会』
https://www.jaswa.or.jp/
会員一覧
会員区分法人名
正会員A株式会社ツナググループ・ホールディングス
正会員ALINEヤフー株式会社
正会員Aシェアフル株式会社
正会員AHRソリューションズ株式会社
正会員A株式会社タイミー
正会員BWakrak株式会社
正会員Bスキマワークス株式会社
正会員B株式会社メルカリ
アドバイザー会員株式会社みずほ銀行
アドバイザー会員東京海上日動火災保険株式会社
アドバイザー会員株式会社NTTドコモ
準会員ネクストレベルホールディングス株式会社
準会員株式会社サンレディース
準会員ジョブコレ株式会社
準会員株式会社ベネッセMCM