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高齢者自身の「高齢者」自覚実情(2022年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
自分は高齢者なのか? 高齢者に尋ねた結果は?!(写真:アフロ)

老人、シニア、シルバー世代、年寄りなどともに使われることが多い「高齢者」との言い回し。一般的には定年退職を迎えた後のお年を召した方を指すのだが、明確な定義は無い。年齢で区切るとしても、その境界線を何歳にするかは多様な意見がある。今回は内閣府が2022年6月に発表した「高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査」(※)の結果から、高齢者に該当しそうな人たちに、自分自身を高齢者だと感じているかについて尋ねた結果を確認する。

今調査対象母集団に対し、回答者自身を高齢者だと感じているか否かを尋ねた結果が次のグラフ(選択肢は「はい」「いいえ」「不明(・無回答)」)。なお今調査は60歳以上を対象としている「高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査」であることから、調査側は60歳以上が高齢者との認識を持っているようだ。

↑ 自分を高齢者だと感じているか(感じている人、男女別・年齢階層別)(2021年)
↑ 自分を高齢者だと感じているか(感じている人、男女別・年齢階層別)(2021年)

全体では52.9%の人が高齢者との自覚を持っている。年齢階層別に見ると一様に、年が上になるに連れて高齢者自覚者が増えていく。他方、80歳以上でも1割前後は高齢者であることを自覚していないことになる(80歳以上男性は10.6%、女性は9.6%が「いいえ」)。気の持ち方で高齢者か否かを自覚しているのだろうか。

男女別で見ると、60~64歳は男性の方が多いが、それより上の年齢階層では女性の方が高い値を示している。同じ年齢なら女性の方が老けているのか、それとも高齢者であるとの自覚を正しく認識しているのか。数%ポイントの差でしかないものの、興味深い話ではある。

これを回答者自身が自覚する健康状態別に見たのが次のグラフ。

↑ 自分を高齢者だと感じているか(感じている人、現在の健康状態別)(2021年)
↑ 自分を高齢者だと感じているか(感じている人、現在の健康状態別)(2021年)

自分を「健康状態はよい」と自覚している人は34.0%のみが高齢者の自覚を持っているが、「健康状態はよくない」と自覚している人は実に85.0%が高齢者だと自覚している。健康状態は高齢者であるか否かの認識において、大きな要素となっているようだ。

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※高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査

2021年12月6日から12月24日にかけて、層化二段無作為抽出を用いて選ばれた全国の60歳以上の男女に対し郵送調査法で行われたもので、有効回答数は2435人。男女比は1188対1247。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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