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リオデジャネイロ五輪代表監督に、仙台・手倉森誠氏の就任が決定!

川端暁彦サッカーライター/編集者
五輪代表監督人事を発表する原技術委員長

10月10日、日本サッカー協会は理事会を開催し、2016年のリオデジャネイロ五輪日本代表監督として、手倉森誠氏(現・仙台監督)の就任を承認した。

会見に臨んだ原博実技術委員長は「これまではW杯終了後にA代表監督決定と同時に発表するような形でやらせてもらっていたが、今回は早めに動いていた。(手倉森氏は)現在チームを持っているので、まず仙台に対して『そういう話をしてもいいか』と打診するところから始めさせてもらった。彼自身から最終的回答を得たのは今週に入ってからで、(オファー受諾の)連絡をいただいたので、今回の理事会に諮らせてもらった」と話した。

契約は来年1月2日からで、今季の天皇杯終了までは仙台監督として過ごすことになる。初陣は来年1月12日から始まるU-22アジアカップとなり、この大会に日本はU-21日本代表(リオ五輪代表)を送り込む。「いろいろな選手を生かし、土台の揺るがないチームを作っていける人だと思っている。試合前の、あるいは終わったあとのコメントを聞いても、まあ、ときどき下らないダジャレとかも言ってしまっていますが、信念のブレないところを評価しています」と原委員長は選考の理由を明らかにした。また手倉森氏は、来年のW杯終了後に再編されるA代表のコーチングスタッフにも名を連ねる見通し。原委員長は「仙台では毎年監督が代わる中で、コーチとしてやってきていた」と、アシスタントコーチとしての力量、経験も評価していることを強調している。

リオ五輪からはアジア予選の方式が抜本的に改革され、1次予選(15年5月予定)、最終予選(16年1月、西アジア開催予定)ともに、これまでのホーム&アウェイ方式ではなく、セントラル方式での開催となる。リーグ戦と並行する部分が少なくなり、A代表との日程重複も小さくなるメリットがある一方で、より“一発勝負”としての色が濃くなることから、予選としての厳しさは増すことになりそうだ。実際、同様のセントラル方式で行われているU-20W杯予選で、日本は3大会連続で敗退しており、原委員長はその危機感もあらためて明らかにした。

まずは1次予選。そして最終予選、最後に本大会へ。“手倉森ジャパン”の活動は、来年1月からスタートする。

手倉森 誠(テグラモリ マコト/TEGURAMORI Makoto)監督略歴

生年月日:1967 年 11 月 14 日(45 歳)

出身地:青森県五戸町

選手歴

1983 年~1985 年 五戸高校

1985 年 全国高校サッカー選手権大会ベスト 8

1986 年~1992 年 住友金属工業蹴球団

1986 年 日本ユース代表(第 25 回アジアユース選手権大会 1 次予選出場)

1992 年 鹿島アントラーズ

1993 年~1995 年 NEC山形サッカー部(現モンテディオ山形)

指導歴

1995 年~2000 年 モンテディオ山形 コーチ

2001 年 大分トリニータ フィジカルコーチ

2002 年~2003 年 大分トリニータ ヘッドコーチ

2004 年~2006 年 ベガルタ仙台 コーチ

2007 年 ベガルタ仙台 ヘッドコーチ

2008 年~現在 ベガルタ仙台 監督

主な戦績

2009 年 2009J リーグディビジョン 2 優勝(J1 昇格)

2012 年 2012J リーグディビジョン 1 2 位(ACL 出場権獲得)

2013 年 AFC チャンピオンズリーグ 2013 出場

資格:日本サッカー協会公認 S 級ライセンス

サッカーライター/編集者

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。2002年から育成年代を中心とした取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月をもって野に下り、フリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』を始め、『スポーツナビ』『サッカーキング』『サッカークリニック』『Footballista』『サッカー批評』『サッカーマガジン』『ゲキサカ』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。著書『2050年W杯日本代表優勝プラン』(ソルメディア)ほか。

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