日頃お世話になっている道路は実は歴史的な道路だった【那覇市】
モノレールのレールの下の道は「330」と呼ばれ、沖縄市胡屋から那覇市旭町まで続く長い国道です。那覇市安里から那覇市与儀は通称「ひめゆり通り」と呼ばれます。
通勤やレジャーなどで日々利用する便利な道路なのですが、調べてみると実は歴史的な道路であることがわかりました。
「ひめゆり通り」の由来
「ひめゆりの塔」という映画をご存じの方も多いかと思います。
第二次世界大戦中、「ひめゆり学徒隊」と呼ばれた生徒たちが負傷兵の治療にあたりました。
ひめゆり学徒隊とは「沖縄師範学校女子部」と「沖縄県立第一高等女学校」の生徒たちのことです。この2校の愛称が「ひめゆり」であったことが由来です。
「ひめゆり」の由来は、沖縄県立第一高等女学校の広報誌名が「乙姫」、沖縄県女子模範学校の広報誌名が「白百合」で、2つを合わせて「ひめゆり」となりました。2校から生徒・教師240名が看護要員として動員され、そのうち136名が亡くなっています。
その沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校が安里十字路辺りにあった事から「ひめゆり通り」と呼ばれるようになりました。
沖縄師範学校女子部の附属小学校として開校した大道小学校の一角には「沖縄師範学校女子部」と「沖縄県立第一高等女学校」があったことがわかる像があります。
女生徒の前にある本に説明文がありました。
大道小学校
住所:沖縄県那覇市大道146-1
TEL:098-917-3308
「ひめゆりの塔」は糸満市にあるので、私はうっかりしていましたが実はひめゆり通りは歴史的な道路だったことがわかり、驚きました。
姫百合橋の由来
安里駅から与儀方面に進むと姫百合橋があります。
バス停の名前も姫百合橋です。
こちらの橋の名前もお花とは無関係で、安里川にかかる粗末で危険な橋から転落死した「沖縄県立第一高等女学校」の女生徒を悼み、昭和初期に安全な橋に掛け替えられた橋に「姫百合橋」と名付けられました。
ひめゆり通りには「ひめゆり」の名前が付いているお店がたくさん!
ひめゆり通りを歩くと「ひめゆり」の名前が付いているお店がたくさんあることに気が付きます。
ひめゆりふとん店
ひめゆり歯科
ひめゆり住宅
ひめゆり薬局
コンビニやファストフードのお店もたくさんありますが、どれも「ひめゆり通り店」です。「沖縄師範学校女子部」と「沖縄県立第一高等女学校」はなくなってしまいましたが、安里に「ひめゆり」があったことを大事にしていることがわかりますね。
以前紹介した「Witch's」もひめゆり通りにあります。
栄町市場のまん中にある「ひめゆりピースホール」
安里駅前に栄町市場があります。昼間はオジーやオバーがのんびりと買い物を楽しんでいて、夜はお酒を楽しむ人々で賑わっていますね。
その栄町市場のまん中に「ひめゆりピースホール」があります。
栄町市場はひめゆり学徒隊の母校である「沖縄師範学校女子部」や「県立第一高等女学校」があった場所なんです!
この場所にひめゆり平和祈念財団が1967年にひめゆり同窓会館を建て、ひめゆり平和祈念資料館建設活動の拠点となりました。
現在は「ひめゆりピースホール」にリニューアルされ、同窓生が集まったり、演劇が上演され「文化芸術の島・平和の島」である沖縄を発信しています。
ひめゆりピースホール
住所:沖縄県那覇市安里388−1-2F
TEL: 098-943-1359
ひめゆり通りがいつまでも平和な道路であることを祈ります。