[訃報]コンテンポラリー・ジャズのパイオニア的存在 ジョージ・デュークさん逝去
1970年代から数々の名バンドで実力を発揮して、コンテンポラリー・ジャズ界を牽引したピアノ&キーボード奏者のジョージ・デュークさんが亡くなられました。
お話しする機会のないままアチラの世界へと旅立たれてしまって、とても残念です。
ジョージ・デュークさんといえば、ジャズとフュージョン、そしてファンクやプログレッシヴ・ロックといったジャンルを、持ち前の超絶技巧で縦横無尽に行き来して、極上のエンタテインメントに仕立ててしまうことのできる、トップ・クラスの“サウンド・シェフ”というイメージをボクはもっていました。包丁さばきや味付けはもちろん、盛りつけの美しさもピカイチという意味での“シェフ”という例えですので、念のため。
ボクのなかでジョージ・デュークさんが強く印象に残ったのは、ソニー・ロリンズが1977年にリリースした『イージー・リヴィング』でのプレイ。とくにA面(購入当時はアナログLP盤だったんです)の1曲目「イズント・シー・ラヴリー」の出だしでスタッカートするエレクトリック・ピアノの音は、オリジナルであるスティーヴィー・ワンダーのヴァージョンをさらに魅力的に彩った珠玉の名サポートであると吹聴し続けていくつもりです。
♪Sonny Rollins- Isn't She Lovely?
♪Jean-Luc Ponty- King Kong: Jean-Luc Ponty Plays The Music Of Frank Zappa
エレクトリック・ヴァイオリンを駆使して1970年代にフュージョン旋風を巻き起こしたジャン=リュック・ポンティの1970年の作品で、フランク・ザッパも参加したザッパ作品集。このような複雑怪奇なサウンドを正確無比のテクニックで抒情的に表現したことによって、“ジョージ・デューク”という名は一気に高まっていったのですね。
ご冥福をお祈りします。