李明博氏の今後は? 収容施設は「ホテル級」も…年金「取消」 罰金など「17億円超を30日内に支払い」
29日に韓国の最高裁(大法院)から懲役17年の最終判決が下された李明博氏。
今後の”スケジュール”が見えてきた。
収監日は11月2日の午後、地検に出頭後、これまで2度収監されていたソウル東部拘置所にひとまず収監されることとなった。その後、どの刑務所に入るかが決定される見通しだ。
判決後、検察側からすぐに元大統領側に収監の通知が出された。しかし元大統領は病院行きを理由に延期を要請。本来3日までの延期は認められているため、週明けにソウル市内江南地区ノニョン洞の自宅から松坡区のソウル東部拘置所から護送車に乗って移動することとなった。
護送の際には警備の問題が心配されている。29日の判決後、自宅周辺にはメディアのほか支持者と反対派が集まり、お互いの主張をする事態が起きたからだ。
当の李前大統領は30日は持病のために病院へ行き、長期間の不在に対応する処方箋を受け取った。その際にメディアから質問されたが、問いかけには応じなかった。
2日からは8ヶ月ぶりにソウル東部拘置所での生活が始まる。2017年に完成した新しい施設だ。韓国メディアも「拘置所関係者の中では”ホテル”と呼ばれている」と報じるほどの清潔な施設として知られる。
YTNは拘置所内の様子をこう描写している。
「光の差し込む部屋にテレビが置かれ、ガラスの壁で仕切られたトイレにはきれいにトイレットペーパーが置かれていて…普通の家と違う点は何かと聞かれると、固く閉じられたドアと鉄格子くらいです」
外に運動場がない代わりに、室内にバスケットボールなどが可能な運動施設がある。国内の他の拘置所が、異臭や施設の劣化に悩まされるなか「異例の好環境」とされる。
李前大統領は、8ヶ月前の拘束時には最上階(12階)のやや小さめの一人部屋に入っていたという。今回はどういった部屋に入るかは未定だが、着用する衣服の色は変わる。受刑者として灰色の服を身に着けるのだ。
ひとまずこの東部拘置所に入った後、どの刑務所に移るかが決定される見通しだ。すでに未決拘禁者として1年収監されていたため、17年の刑期のうち残り16年を「塀の中」で過ごすことになる。恩赦・特赦がなければ2036年に満期を迎え出所。その時は95歳となっている。
また、ペナルティは刑務所生活のみではない。
有罪確定により本人は前職大統領としての福利厚生の多くを失う。関連法で「禁固刑以上に処された場合、礼遇を失う」とされているからだ。
失うのは年金支給、交通・通信の提供、事務所の提供、本人および家族の病気ケガの治療費支給の恩恵など。残されるのは身辺警護・警備のみだ。
また今回は懲役17年の実刑のほかに130億ウォン(約11億9500万円)の罰金、57億8000万ウォン(5億3000万円)の追徴金が課された。
これに関しては検察側から近いうちに前大統領側に納付命令書が発送される見通しだ。規定では期限が「30日間」とされている。15日間が1次期限で、その後の15日間が延長期間となる。ソウル中央地検の専門チームが”監視”し、支払いが進行するとみられている。