ファストフード好きなアメリカ人も「健康には…?」と考えている、らしい
週一以上の利用者は約5割
次のグラフはアメリカの調査機関ギャラップ社が今年7月に実施・8月に発表した、ファストフードと食生活に関する調査結果によるもの。同国在住の18歳以上を対象にしたものだが、イートインやドライブスルー、さらには自宅や職場への持ち帰り品まで含め、ファストフード店をどの程度の頻度で利用しているかを尋ねている。経年での変化はほとんどなく、週一以上で区切れば47%の人が利用している。
中には毎日利用する人も数%見受けられる。週数回で区切れば2割近い値となる。属性別の回答性向は次の通りとなるが、イメージ通り若年層の方が利用率は高い。30歳未満に限れば、6割近くが週一以上の利用者となる。
高齢者でもそれなりに利用はしているようで、例えば65歳以上でも41%は週一以上の利用者となっている。ファストフード店にも多種多様なものがあるとはいえ、意外といえば意外。
多くは「健康面ではマイナス」と思っている、が…
利用頻度の上では、アメリカ人の食生活上欠かせない存在に見えるファストフード。しかし栄養素の観点などをはじめ、身体にとって良い料理なのか否かという認識については、「あまり良くないもの」という意見が多数を占めている。
「利用頻度が高いが特に問題は起きていない(と自認しているので)健康的だと思う」のか、「健康的だと思っているから(健康への影響を考えずに)利用頻度が高い」のか。どちらが原因でどちらが結果なのかまでは今調査だけでは断定はできないが、結果として利用頻度が高い人ほど、ファストフードを健康的なものだと思っている人は多い。とはいえ、もっとも利用頻度が高い区分でも3/4は「健康に悪そうだ」という認識を持っているのも事実。「ファストフードはヘルシーで健康志向」という考えは、少数派でしかない。
ではなぜファストフードに足しげく通うのか。自虐愛好者でもない限り、身体に悪いものをそれだけの理由で積極的に食べる人は居ないので、何らかのプラス的な理由があり、その理由が健康的なマイナス点を上回っていることになる。今調査ではその観点に対する調査項目はないものの、「低コストや味、そして便宜性」などを長所として挙げ、これらが健康志向・意識を上回る魅力を持つ結果、多用してしまうと結論付けている。
まとめると「アメリカの成人はほぼ半数が週一以上で通うなど、ファストフードへの愛着心は強い」「しかしファストフードが健康に良くないとの認識は十分以上に持ち合わせている」「だが価格や味などの魅力が、健康志向を押しのけてしまう」というところだろうか。複雑な心境、ジレンマ、心の中の葛藤がうかがいしれる。また、利用頻度はともあれ、健康と魅力とのバランスなどは、日本でもさほど変わりないのかもしれない。
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