FXをキャンペーン目的で利用するときの注意点。理論コストと理論利益を自分で計算しよう
FX(外国為替証拠金取引)では、いろいろな会社がよくキャンペーンを行っています。口座開設と取引をすれば万単位のキャッシュバックやポイント還元などが受けられるケースも少なくなく、いわゆるポイ活としても人気があります。
その一方で、キャンペーン目的でFXを利用するときには注意点がいくつかあります。多くのケースで取引が必要になりますので、把握しておかないと場合によっては大きな損失が発生するケースもあります。
キャンペーンの条件は厳しいものもあれば、甘いものもあり極端です。
メディアやSNSなどで流れてくる情報もありますが、その中で自分自身で取り組むべき美味しい案件なのか、それとも渋い案件なのかを見極める目が必要です。
賢くキャンペーンを活用して美味しく利益をいただきましょう。
FXのキャンペーンにはどんなものがある?
最近の種類は一定以上の取引をすることでキャッシュバックやポイント還元などが受けられるものというものが大半です。
たとえば『100万通貨取引をすれば1万円キャッシュバック』といったもいのですね。
もちろん、お得なケースもありますが、中には広告手段としてこういう媒体を利用しているケースもあります。実際に利用する際はそれが本当にお得なのかを自分でも理解(計算)できるようにしておきましょう。
果たしてそのキャンペーンって本当にお得なの?
FXキャンペーンを利用するときはそのキャンペーンは本当にお得なのかを考える必要があります。ほとんどのキャンペーンは前述のようにう「取引が必要」になっています。そのため、取引のためには原資となる資金(証拠金)が必要になりますし、取引にはコストもかかります。FX取引を実際に行うわけですからリスクもあります。
1万円のキャッシュバックを得るために1万円のコストをかけていては意味がないですよね。なので、そのキャンペーンが本当にお得なのかを計算する必要があります。
FXの取引コスト
まずはコストです。FXの取引コストは一般に「スプレッド」と呼ばれます。スプレッドというのは為替を「買う時と売るときの値段の差」です。
1ドル110円20銭-30銭というような場合、ドルを買う時は110円30銭が必要で売るときは110円20銭で売れるということになります。つまり、1ドルの売買をすると10銭のコストがかかります。ちなみに100銭=1円です。
外部リンク:スプレッド / FX取引の基礎知識
FXの場合、たとえば円の組み合わせの場合0.2銭~0.3銭くらいのスプレッドがかかるのが一般的です。0.2銭というのは円感覚だとわかりにくいですが0.002円ということになります。
とすれば1万ドル(※一般的にFXは1万ドルが最低取引単位となります。)のFX売買をする時に係るコストは「10000(ドル)×0.002(円)=20円」というのがコストになります。ここからわかりますが、当然に必要な裁定取引量が小さいほどFXキャンペーンとしては有利ですね。
前述の架空のキャンペーン100万通貨で1万円キャッシュバックを考えると必要なコストは20円×100=2000円ということになりますね。2000円かけて1万円がもらえるということになるので理論上の利益は8000円ということになるわけです。
どのレベルからならやるべきなのか?というのは人によると思いますが、個人的には理論利益が1万円ほどあるなら十分やる価値はあると思っています。
FXキャンペーンのクリアに必要な資金
FXは証拠金取引と言って1万ドル(約110万円)の取引をするのに全額の資金は必要ありません。ルール的には証拠金の25倍まで運用できますので、想定取引額÷25=必要資金です。ただし、少しだけ余裕を持っておきましょう。1回に取引する量の1/20程度で考えておくとよいでしょう。
たとえば、1ドルが110円の時に1万ドル分ならおよそ110万円の取引になります。この時に必要な資金は55000円くらいをFX事業者に預けておけば大丈夫です。
なお、FXのキャンペーンによっては初回最低入金額が定められている場合があります。初回に10万円以上を入金した上で……といった具合です。この場合はその指示に従いましょう。
キャンペーン目的でのFX取引のリスク
理論上の利益はプラスであっても、FX取引の場合は為替レートに対する投資になりますので、為替レートが変動するリスクがあります。
たとえば、100万通貨の場合、為替レートが10銭変動すれば1000円の損益が生じることになります。前述のキャンペーンでいえば、為替レートが80銭変動すれば利益が全部飛んで行ってしまうということになります。
一瞬で80銭も動くことはまれではありますが、大きな経済イベント(重要指標の発表など)があればそうした動きをすることもあります。そのため、キャンペーン目的でFX取引を行う場合は以下の点に注意して行いましょう。
- できるだけ細かく売り買いをして即決済をする
- 重要な経済指標発表前後は避ける
- 取引が少ない時間帯は避ける
この3点です。
できるだけ細かく売り買いをして即決済をする
たとえば、100万通貨の取引が必要という場合、一撃で100万通貨を売買するのはリスクが大きくなります。そのため、たとえば1万通貨をを買ってすぐに売却するというように、売買を細かくして、そのうえでできるだけ短時間ですぐに売却(精算)をしてしまいましょう。
ただ、細かく刻みすぎるとリスクは減らせますが、取引回数が増えて煩雑になります。この辺りは自分でリスクコントロールしていきましょう。
重要な経済指標発表(経済イベント)前後は避ける
リスクを抑えるうえで大切なことは重要な経済指標発表の前後は避けるということです。特に昼間仕事をしている人は夕食後などの時間に取り組みをする方も多いと思いますが、日本時間の夜は米国(アメリカ)で重要指標が発表されるタイミングと重なることがあります。
サプライズ発表などがあると為替レートが大きく変動する可能性があります。なお、発表のタイミングについては「重要指標情報(Yahooファイナンス)」で確認できます。重要度(★)が多いほど影響度も大きいのでその発表前後は控えておくとよいでしょう。
取引が少ない時間帯は避ける
最後に取引量が少ない時間帯も避けましょう。気を付けたいのが日本時間の早朝(5時くらい~)の時間帯です。この時間帯は取引量が少なく、スプレッドが拡大しやすい傾向があります。
FXキャンペーンは細則をよく読む
最後ですが、FXのキャンペーンでは細則(規約、ルール)をちゃんと読みましょう。
- 取引に関する条件(対象となる通貨、取引量、取引期間)
- 入金額に関する条件(最低入金額)
- 取引後の出金に関する条件(期間中の出金の可否)
この辺りは最低限確認しておきたいところですね。せっかくキャンペーン目的で活用したのに、あとから、キャンペーンの条件を満たしていない!となるのは最悪ですからね。