日本に住んでいる外国籍の人達の実情をさぐる
日本には多様な国の人達が来訪し、居住している。国籍は日本ではなく他国籍ではあるが、日本に住んでいる人達は、どこの国からの人が、どれほどいるのだろうか。国勢調査の最新版となる2015年分の統計値から確認する。
次に示すのは2015年時点で日本に住む外国籍の人のうち、国籍あたりの人数が1000人以上に限定した一覧とその人数。国勢調査の結果では全部で188か国と、無国籍・国名「不詳」における外国籍の人の数が収録されているが、すべてを示すのは冗長に過ぎるので1000人で区切っている。該当するのは44か国・地域。
中国籍の人が圧倒的に多く51万人、次いで韓国・朝鮮籍の人が38万人。その次にフィリピン国籍の人が17万人、ブラジル国籍の人が13万人で、ここまでが10万人超え。次いでベトナム、アメリカ合衆国、ペルー、タイ、ネパールなどが続く。
国勢調査の公開値に従い、該当国の地域別に仕切り分けしたのが次のグラフ。
アジア州がもっとも多く131万人、次いで南アメリカ州が17万人、アメリカ合衆国が含まれる北アメリカ州が5万人で続く。無国籍・国名「不詳」の人が16万人いるのは意外といえば意外。
上位で抜きんでる値を示している中国籍と韓国・朝鮮国籍の人達について、居住している場所を都道府県別で確認したのが次のグラフ。同じように分散している、人口密集地域ほど多いように思えるが、実態としては職業や地域性などもあり、大きな違いが生じている。
東京都やその周辺、愛知県、大阪府近辺に多くの人がいるのは両方で変わりがないが、中国国籍の人は東京都とその近辺に集中している。大阪府に住んでいる人の割合は東京都の1/4程度に留まっている。他方、韓国・朝鮮国籍の人は東京都と大阪府でほとんど変わりがなく、京都府や兵庫県にも多数の人が住んでいる。
今回グラフに記載できなかった国からも、多くの人がやってきて日本に在住している。国勢調査の限りでは、2015年時点で総人口(日本人・外国人の別「不詳」含む)の1億2709万4745人のうち、外国籍を持つ人は175万2368人、1.38%に相当する。色々な意味で国際化が進んでいることを実感できるデータではある。
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(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。