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2022年を振り返る(9月~12月)

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

9月

 1日の東京外為市場でドル円は7月14日に付けた直近高値の139円38銭を上回り、約24年ぶりのドル高円安水準に。6日に英国でジョンソン首相の後任にトラス外相が選出。日銀が14日、レートチェックを実施。日銀ネットの一部機能に不具合発生。19日に米10年債利回りが3.5%台を付けた。20日に発表の8月の消費者物価指数(除く生鮮食料品)は前年同月比2.8%の上昇と消費増税の影響を除くと1991年9月の2.8%以来の上昇率に。21日のFOMCで政策金利の0.75%引き上げを決めた。政府・日銀は22日、1998年6月以来、約24年ぶりとなる円買い・ドル売りの為替介入実施。23日にトラスショック発生。26日に英ポンドは変動相場制移行後の最安値を付けた。イングランド銀行は英国債の購入を始めた。

10月

 11日に新発10年国債の業者間取引において6日、7日に続いて成立せず。13日に発表した9月の企業物価指数は前年同月比9.7%の上昇。13日に発表の9月の米消費者物価指数は前年同月比8.2%の上昇。英国のトラス首相は14日、クワジ・クワーテング財務相を解任。20日にはトラス首相が辞任を表明。21日のニューヨーク時間にドル円は一時151円94銭まで上昇し、32年ぶり安値を更新。米10年債利回りが4.33%と15年ぶりの水準を付けた。21日、24日には政府日銀が覆面介入を実施。日銀は21日の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定。25日、英国でリシ・スナク氏が首相に就任した。カナダ銀行は26日、政策金利を0.5%引き上げた。利上げ幅は縮小。31日に発表したユーロ圏の10月の消費者物価指数速報値は前年同月比が10.7%の上昇と過去最高となった。

11月

 2日のFOMCにおいて0.75%の利上げを決定。3日にはイングランド銀行が1989年以来およそ33年ぶりの0.75%の利上げを決定。10日に発表した10月の米消費者物価指数は前年比7.7%と伸び鈍化。11日にFTXトレーディングが経営破綻。15日発表の7~9月期GDP速報値は4四半期ぶりのマイナス成長に。18日に発表した10月の消費者物価指数(除く生鮮)は前年同月比で3.6%上昇と1982年2月の3.6%以来の上昇率に。

12月

 日銀が14日に発表した12月の短観では大企業製造業DIは4期連続の悪化に。14日のFOMCで0.5%の利上げを決めた。利上げペースを減速。15日のECB理事会で0.5%の利上げを決定。17日岸田政権が共同声明を初めて改定する方針を固めたことが分かったと共同通信が報じた。日銀は20日の金融政策決定会合で緩和政策の一部を修正。長期金利操作の運用のところで国債買入額を大幅に増額しつつ、長期金利の変動幅を従来の±0.25%程度から±0.50程度に拡大した。23日に発表した11月の消費者物価指数(除く生鮮)は前年比3.7%上昇と40年11か月ぶりの伸びに。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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