【コロナ時代の就活】Z世代の6割が企業のダイバーシティ&インクルージョンを今まで以上に重視する訳とは
若者の「仕事観」の変容がコロナ渦でさらに加速しています。
「高収入」「安定性」といった条件や報酬ではなく、「働きがい」「ワークライフバランス」といった言葉が就活のキーワードに躍り出て久しいですが、コロナ渦の今、就活やキャリアの新たなキーワードとして「ダイバーシティ&インクルージョン」に注目が集まっています。
コロナで7割以上の若者のキャリア観に変化
認定NPO法人ReBitが2020年10月に実施した『Z世代のダイバーシティ&インクルージョンと就職・就労』調査(*1)では、7割以上が新型コロナ拡大前後で、働き方・キャリアに関する考え方に変化があったと回答。
- 1『Z世代のダイバーシティ&インクルージョンと就職・就労』全国の18歳〜25歳(Z世代)115名 / オンライン調査 / 2020年10月 / 認定NPO法人ReBit
Z世代の6割以上が企業のダイバーシティ&インクルージョンを今まで以上に重視
この意識変容の内容を深掘ると、興味深い傾向が見えてきました。
新型コロナ拡大前後で、Z世代のうち6割以上が、働き方の多様性や社員の多様性などのダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)をより重要視するようになったと回答しています(*2)。
- 2:「リモートワーク・時短勤務・休暇制度など、働き方の多様性をより重要視するようになった」「社会の先行きが不透明なので、社員の多様性が高く、変化に柔軟な意思決定ができる組織で働きたいと思うようになった」「社会の先行きが不透明なので、どんな状況でも社員一人ひとりを大切にしてくれる職場で働きたいと思うようになった」「ワークライフバランスをより重要視するようになった」のいずれかを回答した人を集計。
回答内容をさらに分解すると、「リモートワーク・時短勤務・休暇制度など、働き方の多様性をより重要視するようになった(53%)」、「ワークライフバランスをより重要視するようになった(28%)」といった、働き方の多様性を望む声が特に目立ちました。
また、「社会の先行きが不透明なので、社員の多様性が高く、変化に柔軟な意思決定ができる組織で働きたいと思うようになった(36%)」のように、変化の激しい時代でも、社会の新たな価値観に対応していけるような柔軟さを持った企業を志望する声も集まりました。
さらに、「どんな状況でも社員一人ひとりを大切にしてくれる職場で働きたいと思うようになった(28%)」、など、社員の個性や働き方の多様性を尊重する企業への人気も、今まで以上に高まっていることがうかがえます。
また、D&Iを重要視する背景として、「一人一人が自分らしく働くために、ダイバーシティはなくてはならない観点だと思う」(20歳・学生)、「個人の強み弱みを生かした職場環境で働きたい」 (22歳・その他)、「ハラスメントにノーを表明し、それを実践しようと努力している企業姿勢に共感する」 (24歳・社会人)、「社会の中にある企業、働くものとして、全ての人が生きやすい環境に貢献するような企業で働きたい」(22歳・学生)などの声が寄せられました。
表面的な指針だけではなく、具体的な施策や風土にまで着目
では、具体的には彼らは企業にどんなことを求めているのでしょうか。
同調査で、キャリア選択において重要視する点を聞くと、
・リモートワーク・時短勤務・休暇制度など、多様な働き方を応援する制度があること(77.5%)
・多様な人財(女性・LGBT・外国籍・障がい者等)が活躍できるための取り組みを積極的に行っていること」(76.5%)
・社員一人ひとりが尊重される文化や風土づくりを積極的に行っていること(74.5%)
などに票が集まり、ダイバーシティポリシーなどの指針の有無だけでなく、ダイバーシティを推進するための具体的な施策や実践、働く人たちの多様性やインクルーシブな風土にも着目していることがわかります。
つまり、採用活動を行う企業としては、取り組んでいるということだけではなく、実際の制度や実践としてどのように取り組んでいるか、その結果としてどのような職場風土であり、そこではたらく人の価値観をもっているかなど「温度」が伝わるメッセージを届ける必要があると言えるでしょう。
しかし、各企業のダイバーシティ施策に関するZ世代の認知度は低い
しかし同時に、実に約9割のZ世代が、「ダイバーシティ&インクルージョンに積極的に取り組む企業は10社以下しか知らない」と回答。かなりの数の企業が積極的にダイバーシティ施策に取り組んでいる昨今の実情を鑑みると、「10社以下」はかなり低い数値と言えます。
つまり、Z世代の間でD&Iへの注目が高まっているにもかかわらず、企業のダイバーシティ施策に関する情報がきちんと届けられてていないという現状が浮き彫りになりました。
就活世代が情報収集できる「場」の重要性
このような現状の原因のひとつとして、企業のD&Iの取り組みについて就活世代が情報収集ができる「場」が少ないことが挙げられます。
ReBitでは毎年、D&I推進をテーマにしたキャリアフォーラム「RAINBOW CROSSING」を開催しており、今年は10月17日(土)から約1ヶ月間間、完全オンライン型で実施しています。
D&I推進に取り組む国内企業22社が参加し、参加者は各企業のダイバーシティ施策について情報を集めたり、多様なバックグラウンドを持ちながら自分らしく働く社会人と交流したりすることができます。
企業のD&Iの取り組みを知りたい学生・就活生・社会人や、自社のダイバーシティ施策をより推進したい企業担当者はもちろん、自分らしく働くことに興味がある全ての人にぜひおすすめしたいイベントです。
【おすすめコンテンツ1】ダイバーシティ&インクルージョンの最前線を知り、「これからの働き方」を考えるオンラインフォーラム
YouTube Liveを使用したオンライン講演会「FORUM」では、D&Iに取り組む企業22社の企業の役員・担当者・社員らによるトークセッションや各企業からの参加者へのメッセージを配信します。
また、エッセイスト/タレントの小島慶子さん、OECD東京センター所長の村上由美子さんなど、D&Iや就労に関連する各分野の第一線で活躍する登壇者を各日程2名ずつ招いて、「誰もが自分らしく働く社会の実現」をテーマとした基調セッションを行います。
【おすすめコンテンツ2】ダイバーシティに取り組む企業で働く多様な社会人、D&I担当者とのオンライン交流・質問会
Web会議システムZOOMを使用した、オンライン交流・質問会「MEET-UP」では、多種多様なスピーカーが「ロールモデル」として登壇し、参加者はスピーカーと交流・対話することができます。
全5日程で毎回異なるスピーカーは「LGBTQ」「海外出身」「障がい」「子育て中」など、様々なバックグラウンドやキャリアを持ち、自身の職場やキャリアに関するリアルな話を共有します。また、スピーカーからのプレゼンテーションの後には、参加者が「特に話を聞きたい」と思ったスピーカーを2人選んで、更に少人数のグループで質問や交流ができる時間も設けています。
<RAINBOW CROSSING 2020>
https://diversityworksjp.org/rainbowcrossing2020/
■日時:2020年10月17日(土)~11月25日(水)
■参加対象者:「自分らしく働く」ことに興味のある方。企業のダイバーシティ(LGBT、ジェンダー、障がい、エスニシティ等)の取り組みへ関心がある就活生・学生・社会人・企業担当者・就労支援者等
■参加費:無料
■参加企業(順不同・敬称略):ユニリーバ・ジャパン/株式会社丸井グループ/ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ/日本電気株式会社(NEC)/野村ホールディングス株式会社/コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社/グーグル合同会社/ソニー株式会社/アクセンチュア株式会社/NTTグループ/モルガン・スタンレー/株式会社セールスフォース・ドットコム/BLOOMBERG L.P./日本アイ・ビー・エム株式会社/清水建設株式会社/株式会社LITALICO/東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)/日本マイクロソフト株式会社/LGBTファイナンス(ウェルズ・ファーゴ、ドイツ銀行グループ、J.P.モルガン、日興アセットマネジメント)、他 ※随時特設サイトにてお知らせいたします。