バブル時代の戦争がキッカケで誕生…「翔んで埼玉」続編でも活躍した「とびだしとび太」に迫る
2023年12月現在も上映中の話題作「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」はご存知でしょうか。
2019年に公開された前作でも、ほかに類をみない郷土愛あふれる「埼玉ディス」で大ヒットを記録しました。
今作では滋賀県を中心に物語が進行し、日本各地で飛び出し注意を啓発し続ける滋賀発祥の看板「とびだしとび太」が登場&大活躍するなど、注目を集めていています。
ということで今回は、誕生から今年で50年目を迎える「とびだしとび太」の歴史や誕生にまつわるエピソードをみていきましょう。
「とびだしとび太」とは
とびだしとび太とは、ドライバーや自転車に飛び出し注意を啓発する目的で道路に設置されている看板のことです。
1973年に、滋賀県で初めて採用されました。約50年が経った2023年現在は全国に設置され、ドライバーや子供たちの交通安全を見守り続けています。
当初は「とびだし人形」の名で設置されていましたが、後に生みの親である地元の看板制作会社が「とびだしとび太」と名付けました。その後、イラストレーター・みうらじゅん氏による影響で「とびだし坊や」という名が広まったほか、親しみをこめて「とび太くん」とよぶ人も少なくありません。
「とびだしとび太」誕生の意外な背景
とびだしとび太が誕生したのは、高度経済成長期のいわゆるバブル時代のことでした。
当時の急激な経済効果によって、自動車の所持率と交通量が増加したにもかかわらず、道路整備などのインフラが追いついていなかったのです。
そのため、日本全国で交通事故が頻発するようになり、多くの命が奪われました。そしてこの悲惨な状況を世間では、皮肉をこめて「交通戦争」とよびました。
このような状況を少しでも改善しようと、地元の看板制作会社が「とび出し注意の啓発看板」の製作を請け負うことになったそうです。
こうして誕生したのが、「とびだしとび太」でした。
「とびだしとび太」は近年、人気キャラクターや性別など姿や形を変えて全国各地に設置されているようですので、交通安全について思いを巡らせながら、ぜひ探してみてください。