75歳以上の高齢ドライバー、免許更新時の検査合格率97.6%の現実をどう見るか #専門家のまとめ
高齢ドライバーの運転ミスによる重大事故が後を絶たない。高速道路での逆走、アクセルとブレーキの踏み間違い、中央線突破……。免許返納を検討しながらも、更新時の各種検査をクリアしたことで運転を続ける人も多いのが現実だ。
今日は「敬老の日」ということで、高齢ドライバーに関する記事がいくつか発信されている。今後どのような観点から事故抑止に取り組むべきなのか。まとめてみた。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
本日公開された「朝日新聞デジタル」によれば、
『75歳以上の運転手による死亡事故は昨年384件あり、事故全体の16.4%を占めた。認知機能検査が始まった15年前は9.5%だった。75歳以上の免許保有者がその間に約324万人から約728万人へと2倍以上になったことも背景にありそうだ』
という。団塊世代がいっきに75歳以上になったことに加え、免許更新時の検査の合格率が97.6%と極めて高いことから、この先も高齢ドライバーはさらに増える見込みだ。
筆者は同記事の中で、以下のようにコメントした。
『運転技術や能力をきちんと測れる仕組みをつくるべき』
『事故につながるリスクを有する病気に関する医療機関の情報を、免許を発行する公安委員会と共有する必要がある』
『「落とすための試験」を実施することは可能』
この問題は、ドライバーの誰もが将来必ず直面し、避けては通れない。若者にとっても、決して他人ごとではない。なぜ高齢者の事故が多いのか、「免許」とはなんのためにあるのか……。
人生の収穫期に、自身の過失で他者の人生を奪うことのないよう、しっかりと分析し、自身を客観的に見つめ、家族と相談を重ねることが大切だ。