日頃から通話とメールを活用…シニアのスマートフォンライフの中身
かつてはシニア(今件では50~79歳を対象とする)には敬遠されがちだったスマートフォンも、今や確実に普及しつつある。シニアはスマートフォンで何をしているのだろうか。ソニー生命保険が2021年9月に発表した「シニアの生活意識調査2021」(※)の調査結果報告書から確認する。
次に示すのは調査対象母集団においてスマートフォンで日頃から何をしているかを答えてもらったもの。なお今調査対象母集団は報告書ではインターネット経由で回答したと説明されている。インターネットの利用端末については尋ねていないものの、各設問の限りでは全員がスマートフォンを利用しているのが確認できる。
トップについたのは通話とメール。スマートフォンを利用しているシニアの71.2%は、日頃から通話やメールを使っていることになる。通話とメールの両者が同率を示しているのを見るに、シニアのスマートフォンライフは通話とメールを同じような感覚で使いこなしているように見える。若年層などにとってはすでにメールは時代遅れのコミュニケーションツールで、ソーシャルメディアやメッセージアプリでのやり取りが主流となっているが、シニアの間ではまだまだメールが現役のようだ。
インターネット検索やニュース閲覧はありがちだが、天気予報や写真撮影、地図、電卓、時間確認といった日常生活に密着した道具としての使いこなしをしているのも確認できる。シニアでもスマートフォンを利用している人は、それなりに有効活用をしているようだ。
他方、LINEなどのメッセージアプリは48.9%。おおよそ半分近く。メッセージアプリは基本として対話する相手がいることが利用の前提となるため、子供や孫、知人などとのやり取りをスマートフォンでする機会があるか否かが、利用の鍵となりそうだ。メッセージアプリを利用している人に限定して、どのような相手とやり取りをしているかの統計があるとよいのだが。
これを男女別に見たのが次のグラフ。
今設問は複数回答のため、女性の方が回答値が高い事柄が多いということは、それだけ女性の方が多数の機能を日頃から利用していると回答していることになる。つまり女性の方が日頃からスマートフォンで多様なことをしていることになる。通話やニュース閲覧、地図は男性の方が上で、これは仕事などで使う人が多いからだと思われる。
男女差を見るとメッセージアプリや写真撮影、電卓、時間確認など日常生活での事柄で差が大きい(女性の方が値が高い)。男性は仕事で使っている・使っていた専用の道具(例えば電卓なら電卓そのもの、時間確認なら腕時計)を使い続けており、スマートフォンを使うまでもないと考えているのかもしれない。
また、通話やメッセージアプリのようなコミュニケーション系の事柄も男女差が大きい。女性は男性よりもコミュニケーションを好むからかもしれない。
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※シニアの生活意識調査2021
同調査は2021年8月5~6日にかけてインターネット経由で50~79歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女・年齢階層(50代と60代・70代の2区分)で均等割り当て。調査協力会社はネットエイジア。
調査結果からは回答者全員がスマートフォンを利用していることが確認でき、多分にスマートフォン利用者を調査対象母集団としていることがうかがえる。そのため、社会全体の実情とはいわゆるデジタルデバイドによる差が生じていることに加え、実際の人口構成比とは異なることに注意が必要。
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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。