【高野町(高野山エリア)】高野山のコケと占いと祈りと
今回、高野山由縁の植物「コウヤノマンネングサ」について、高野山・報恩院の住職 山口文章さんにお話を伺ってきました。
山口さんは高野山出身の僧侶ですが、京都府立大学で林学を修学されて、林業の専門家としてのお仕事もされており、高野山の自然や生態系にもお詳しいです。
コウヤノマンネングサとは
一見、草に見えるので昔の人が草と間違えて名前に「クサ」とついていますが、コケ植物です。
日本に自生しているコケでは最も大型の種類で、その苔とは思えない姿から愛好家に人気となっています。
高野山では仏花であるコウヤマキと並んでお土産物として昭和40年代ごろまで販売されていました。
ただしコウヤノマンネングサは仏壇に供えるような使い方ではなく、採ったり買って保管しておき、大切な人(夫)の旅先での安否を占うツールとして使われていました。
それは、枯れたものを水を張ったお椀に入れて、葉が開けばその人は無事、開かなければ亡くなっている、と言う俗信でした。
かつての旅は危険も大きかったので、残された家族はコウヤノマンネングサに心の拠り所を求めて無事を祈ったようです。
この俗信は広く知られており、他の素材に色を塗った模造品が販売されるくらいコウヤノマンネングサは人気でした。
※今はそんなツールとしては販売されておりません。
高さは5〜10cm程度なので、下から歩いて高野山に来られる際や、高野山の山上を歩いて散策される際には足元に注意していると見ることが出来るかもしれません。
植物好きな方は、高野山に来られる際の楽しみの一つとして良ければ探してみてください。(※見るだけにしてください)
小さなヤシの木みたいで可愛いです。