FRBは政策金利を2会合連続で据え置き、市場では年内の追加利上げ無し観測で米長期金利が大きく低下
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米連邦準備理事会(FRB)は1日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いた。2022年3月のゼロ金利解除後で初めて2会合連続で利上げを見送った格好となった。
FOMC後に記者会見したパウエル議長は「長期金利の上昇やドル高・株安などによる金融条件の引き締まりは、将来の金利決定にとって重要な意味を持つ可能性がある」と述べた。
7月会合の後から債券市場で始まった長期金利の急上昇も、利上げを見送る一因になったようである。ただし、中央銀行がコントロール可能な短期金利を誘導することで、中央銀行の物価に対する意思を示すことが、まさに金融政策となるが、市場で形成される長期金利に金融政策の役割を負わせることについてはやや疑問も残る。まあ、その長期金利をコントロールしようとした中央銀行もあったわけではあるが。
これを受けて1日の米長期金利は前日の4.93%から4.73%に大きく低下し、2日には4.66%に低下した。
今回の据え置きは市場でも予想していたことであり、注目は今後の利上げの可能性にあった。これについてパウエル議長は会見で「インフレのさらなる進展は、さらなる引き締めを正当化する可能性がある」と言及した。
しかし、市場では12月の利上げも見送られるとの見方が強まったようである。これを受けての米長期金利の急低下となっていた。
ただし、FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数は、9月の前年同月比上昇率が3.4%と目標の2%を大幅に上回っていることもあり、追加利上げの有無はさておき、政策金利が当分の間、高止まりする可能性は高い。