日本代表の選出意図は? 田村優ら5名の2019年組には予備軍で奮起促す。【ラグビー旬な一問一答】
今年の6、7月に活動するラグビー日本代表、およびその予備軍にあたるナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)の顔ぶれが5月31日、発表された。
9日に公表された日本代表候補の多くが両軍に振り分けられ、NDSには追加でリストアップされた選手が加わった格好。まずはその顔ぶれを確認されたい。
日本代表
■フォワード 18名
<左プロップ>
稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…186・116・1990/6/2・39 ◎□
クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…186・116・1990/10/29・6 ○□
森川由起乙(東京サントリーサンゴリアス) …180・113・1993/2/6 □
<右プロップ>
ヴァルアサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…187・115・1989/5/7・20 ◎□
垣永真之介(東京サントリーサンゴリアス)…180・115・1991/12/19・10 ○□
木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ)…178・112・1995/12/2・3 ◎
<フッカー>
坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…180・104・1993/6/21・27 ◎□【共同主将】
橋本大吾(東芝ブレイブルーパス東京)…174・105・1994/1/28・2 ★
堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…180・104・1986/1/21・66 ◎
<ロック>
サウマキ アマナキ(横浜キヤノンイーグルス)…190・100・1997/3/8・- ☆
ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)…201・117・2002/4/11・1 □
サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ)…202・120・1995/7/17・- ☆
<フランカー>
ベン・ガンター((埼玉パナソニックワイルドナイツ)…195・120・1997/10/24・2 ○□
古川聖人(トヨタヴェルブリッツ)…179・95・1996/12/6・2 ★
ピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…189・106・1989/1/11・13 ◎□
リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)…189・113・1988/10/7・72 ◎□
<ナンバーエイト>
ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…195・110・1994/10/13・6 □
ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…187・112・1997/1/20・2 ○□
■バックス 16名
<スクラムハーフ>
齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス)…165・73・1997/8/26・6 □
中嶋大希(コベルコ神戸スティーラーズ)…171・80・1996/3/25・2 ★=2021年春には候補入り
流大(東京サントリーサンゴリアス)…166・75・1992/9/4・27 ◎□ 【共同主将】
<スタンドオフ>
中尾隼太(東芝ブレイブルーパス東京)…176・86・1995/1/20・- ☆
山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…176・84・1994/9/21・3 ○
李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)…176・85・2001/1/13・- ☆
<センター>
梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス)…181・95・1995/9/13・1 ○□
中野将伍(東京サントリーサンゴリアス)…186・98・1997/6/11・2 □
ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…187・102・1997/5/2・4 □
<ウイング>
高橋汰地(トヨタヴェルブリッツ)…180・91・1996/6/24・― □
ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)…177・95・1994/4/12・- □
ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…192・102・1989/4/13・- □
シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ)…187・105・1998/12/20・6 □
山下楽平(コベルコ神戸スティーラーズ)…175・85・1992/1/30・— ☆
<フルバック>
野口竜司(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…177・83・1995/7/15・13 ○□
山中亮平(コベルコ神戸スティーラーズ)…188・98・1988/6/22・22 ◎□
ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)
■フォワード 20名
<左プロップ>
海士広大(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…172・102・1994/10/7・- ★※
三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ/7)…180・113・1995/6/8・7 ○□※
<フッカー>
中村駿太(東京サントリーサンゴリアス/0)…176・100・1994/2/28・— ○□
日野剛志(静岡ブルーレヴズ)…172・100・1990/1/20・4 〇※
堀越康介(東京サントリーサンゴリアス)…175・100・1995/6/2・4 ○□
<右プロップ>
竹内柊平(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安)…183・115・1997/12/9・- ★※
津嘉山廉人(横浜キヤノンイーグルス)…185・105・1998/9/7・— ★
淺岡俊亮(トヨタヴェルブリッツ)…186・121・1996/6/24・— □
<左右プロップ>
北川賢吾(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…178・110・1992/8/27・3 □
<ロック>
秋山大地(トヨタヴェルブリッツ)…192・110・1996/11/14・- □
大戸裕矢(静岡ブルーレヴズ…187・104・1990/3/9・4 ○□
辻雄康(東京サントリーサンゴリアス)…190・113・1995/10/28・- ★
ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪)…188・112・1989/1/6・18 ◎□
<フランカー>
飯野晃司(東京サントリーサンゴリアス)…190・110・1994/10/12・- ★※
嶋田直人(横浜キヤノンイーグルス)…181・99・1991/5/21・- ★
徳永祥尭(東芝ブレイブルーパス東京)…185・100・1992/4/10・15 ◎□
シオネ・ラベマイ(東芝ブレイブルーパス東京)…189・120・1994/5/8・- ※
山本浩輝(東芝ブレイブルーパス東京)…187・95・1992/11/17・5 ★
セル ジョセ(花園近鉄ライナーズ)…197・107・1991/2/9・- ★
<ナンバーエイト>
テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス)…183・124・1996/1/2・9 □
■バックス 14名
<スクラムハーフ>
小川高廣(東芝ブレイブルーパス東京)…170・77・1991/3/18・2 ○
茂野海人(トヨタヴェルブリッツ)…170・75・1990/11/21・13 ◎□
小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…171・74・1994/10/31・- ○※
<スタンドオフ>
田村優(横浜キヤノンイーグルス) …181・92・1989/1/9・68 ◎□
<センター>
シェーン・ゲイツ(NTTコミュニケーショングシャイニンズアークス)…183・95・1992/9/27・1 ○□
立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…180・93・1989/12/2・55 ○
テアウパ シオネ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…183・97・1992/7/9・3 ○
ラファエレ ティモシー(コベルコ神戸スティーラーズ)…186・96・1991/8/19・27 ◎□
<ウイング>
竹山晃暉(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…175・84・1996/9/25・- ★
根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…173・82・1998/9/15・- ★
メイン平(リコーブラックラムズ東京)…178・89・2000/9/5・- ★※
吉澤太一(NTTドコモレッドハリケーンズ大阪)…175・80・1991/7/18・- ★※
<フルバック>
奥村翔(静岡ブルーレヴズ)…180・83・1998/6/10・- ★※
尾崎晟也(東京サントリーサンゴリアス)…175・85・1995/7/11・3 ○□
5月9日付公表日本代表候補も選外となった選手
<左プロップ>
岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス)…180・105・1995/2/19・— ★※
<フランカー>
長谷川崚太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…188・100・1993/5/12・— ○□
下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス)…188・105・1999/1/17・- ★
<ナンバーエイト>
姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)…187・112・1994/7/27・22 ◎□
<ウイング>
アタアタ・モエアキオラ(コベルコ神戸スティーラーズ)…186・108・1996/2/6・4 ◎
かねて「コンディション調整により選考対象外」とされている選手
<フッカー>
庭井祐輔(横浜キヤノンイーグルス)…174・95・1991/10/22・9 ○□
<右プロップ>
具智元(コベルコ神戸スティーラーズ)…183・118・1994/7/20・18 ◎□
<ロック>
小瀧尚弘(コベルコ神戸スティーラーズ)…194・114・1992/6/13・11 ○□
ジェームス・ムーア(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス浦安東京ベイ)…195・110・1993/6/11・13 ◎□
<フランカー>
福井翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…186・101・1999/9/28・— □
<スタンドオフ>
松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…181・92・1994/5/3・29 ◎□
小倉順平(横浜キヤノンイーグルス)…172・80・1992/7/11・4 ○
<センター>
中村亮土(東京サントリーサンゴリアス)…181・92・1991/6/3・30 ◎□
<ウイング、フルバック>
松島幸太朗(クレルモン)…178・88・1993/2/26・44 ◎□
セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ)…184・93・1992/6/9・2 ○□
備考
◎=2019年ワールドカップ日本大会出場選手(下記○の該当者含む)
○=2019年までのジェイミー・ジョセフ体制下の代表関連活動、および2017~19年のサンウルブズ(国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦。ちなみに2016年は現体制発足前)に参加経験(練習生を含む)がある選手。
□=2021年春、秋いずれか(もしくは両方)の代表ツアーに参加した選手
☆=代表初選出(下記★にも該当)
★=ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ就任後の代表関連活動(前述のサンウルブズ含む)への参加経験がない選手
※=5月9日付公表日本代表候補外からの選出
チームは下記日程に即して活動中だ。
■合宿
5月14~15日 日本代表候補テスティングキャンプ(大分) ※一部選手除く【終了】
5月23~27 日 日本代表候補スキル&コンディショニングキャンプ(大分) …一部選手除く【終了】
6月3~30日 日本代表合宿(宮崎)
6月3~27日(予定) ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)合宿(大分)
7月3~9日 日本代表合宿(都内)
■試合
6月11日 EMERGING BLOSSOMS×TONGA SAMURAI XV(東京・秩父宮ラグビー場)
6月18日 ウルグアイ代表戦(秩父宮)
6月25日 ウルグアイ代表戦(福岡・ミクニワールドスタジアム北九州)
7月2日 フランス代表戦(愛知・豊田スタジアム)
7月9日 フランス代表戦(東京・国立競技場)
6月3日から日本代表、NDSが同時並行でキャンプを張り、後者は6月11日のトンガ選手たちとの慈善試合を実施。18日のウルグアイ代表とのテストマッチ(2連戦のうち1試合目)にも、NDSを中心とした日本代表が臨む。
かたや前者のグループは、25日のウルグアイ代表戦(2連戦のうち2試合目)、7月2、9日の対フランス代表2連戦へ準備を進める。6月18日以降にNDSから一部選手を追加招集する見込みもある。
この日、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが藤井雄一郎ナショナルチームディレクターとともに会見。まず冒頭ではツアーへの意気込みに加え、今回のツアーで坂手淳史、流大に共同キャプテンを任せることを語った。
「新鮮なメンバーでふたつのチームを選出した。ウルグアイ代表戦、フランス代表戦に向かいます。いま選ばれたメンバーには、リーグワンで怪我のあった選手もいるが、新しい選手をテストできるチャンスとも捉えています。いままでのチャレンジとして、コロナによりラグビーをすることがなかなか難しくなり、年間6~7試合しか試合が行えなかった。後れを取るなか、これからの試合で選手層を厚くし、ワールドカップに向かうのが重要です。
主将の話もしたいです。リーダーシップは重要。主将とコーチ陣が同じ絵を見ていることが大事。坂手、流を共同キャプテンに任命した。私が就任した2016年秋には堀江翔太、立川理を任命していました。主将のクオリティを上げることもワールドカップに向けて重要だと思っています」
流、坂手といった2人の新主将はジョセフ体制下の日本代表の常連。出身の帝京大学、それぞれが所属する東京サントリーサンゴリアス、埼玉パナソニックワイルドナイツでも主将経験がある(坂手は現在もワイルドナイツで主将)。
ジョセフの代表では、複数名からなるリーダーシップグループがグラウンド内外で重責を担っており、特に流は長らくその隊列に加わってきた。2017年には代表デビュー戦で主将を担うなど、リーダーシップが買われてきた。
2017年秋以降、日本代表の主将は2015年までの約2年間に引き続きリーチ マイケルが務めてきたが、昨秋のツアーではピーター・ラブスカフニに交替。今度の新主将任命は、2019年以降で2度目の主将変更を意味する。その意図は会見でも伝わる。
「2人とも各所属先で主将をしている。坂手は責任感があり、チームに団結力をもたらしてくれます。流はサンウルブズでも主将をしている。ワールドカップに向けてチームを作り上げるなか、彼らがチーム全体の理解力を上げる。日本代表がどういうものかを彼らの口から伝えることも重要です」
この日は、両軍の顔ぶれや位置づけについての質疑も受けた。NDSには2019年のワールドカップ日本大会でプレーした選手が5名。チーム内での実績を重視してきたジョセフ体制にあっては珍しくも映る。
特に、2016年秋のチーム発足時から正司令塔だった田村優がNDSからのスタートとなっていたことには記者団も注目した。
2つの試合をおこなうNDS側の安定化を図りながら、経験者へ奮起を促す意図が見え隠れした。
――2019年組のファンデルヴァルト選手、徳永選手、茂野選手、田村選手、ラファエレ選手、さらに2021年に活躍したタタフ選手がNDSからのスタートとなります。
「自分たちとしては、NDSにも一貫性を持ってプレーしてもらいたい観点もあります。なかには怪我から戻った選手もいる(ファンデルヴァルトはシーズン中にけがから復帰。田村も一時負傷欠場があった)。彼らにはプレッシャーを経験し、調子を取り戻してもらう。2019年にいいパフォーマンスをした選手には年齢の高くなった人もいます。彼らの調子を取り戻してもらう。これが、ワールドカップでの成功にも繋がると思います。重要なのは、代わりに入った選手の功績も讃えなければいけない」
――ツアー中、日本代表とNDSの間で昇格、降格はどれくらいあるのか。
「怪我がない限り、移動はありません。ただ、ウルグアイ代表戦1試合目の後、何人かをジャパン側に連れてくる可能性があるとは思います。現在、けが人を含めてトータル約70名の選手がいます。秋のツアーに向けては、これを40~45人に絞りたい。ここから試合に出るチャンスのある選手は、しっかりいいパフォーマンスを出さないといけない」
――田村選手について。
「1試合目のウルグアイ代表戦はプレーする予定です。その後に、どうなるか、です。また、他の選手やリーダーにチャンスを与え、彼らのプレーを見てみたいということもあります。
田村は素晴らしく経験もある選手だが、彼を選ばなかったのは、彼に一貫性を持っていいラグビーをして欲しいということもあります。それができれば素晴らしい選手なのは間違いない。ワールドカップに向けて彼が調子を上げることを見てみたい」
NDSでは、静岡ブルーレヴズで監督をする堀川隆延氏がヘッドコーチを務める。同氏は過去にも、ジョセフ傘下のNDSで指導にあたったことがある。
以下は顔ぶれ全体にまつわる話題、2023年のワールドカップフランス大会を視野に入れた談話も重ねた。
――合宿のテーマは。
「合宿へはテストマッチラグビーへの準備をする。ティア1(強豪)のフランス代表はオールブラックス(ニュージーランド代表)にも勝っていますし、自分たちを試すのにベストなチームだと思っています。
ふたつめは選手層。スコッドの層を厚くする。いままで過ごしたことのない選手にプレー機会を与え、タフな状況下でしっかりプレーできるかを観察するのが重要です」
――4つのテストマッチで見たいものは。
「日本のラグビーのDNAはいままでと変わらない。戦術は常に相手より先を見て考えなければいけない。日本は身体が大きくないのでスピードを活かさないといけない。全体的なものは変わらないが、多少の変更を加えながらプレーしたい。
また新しい選手が入る。エキサイティングでチャレンジング。そこで坂手、流を主将に任命した。選手をチームにコミットメントするようにして欲しい」
――対ウルグアイ代表2戦目以降は、先述の日本代表を軸に戦う。
「ひとつのチーム(NDS)がトンガとの慈善試合とウルグアイ代表との一試合目に。そのうち何人かがジャパンに移り、それ以外の選手はブレイクし、次のツアーに備えます」
――スタンドオフの位置について。
「私のなかで質の高い10番は5人います。中尾、山沢、李はそれぞれスキルが違う(今回の4人と故障療養中の松田力也か)。山沢は代表に出たり、入ったりしていますが、彼は常に可能性があり、見てみたいと思っています。中尾は10、12番ができ、東芝でもいいパフォーマンスをしていて、リーダーとしても素晴らしい。中村が怪我をした位置に入る可能性もある。李は別府(5月23~27 日のスキル&コンディショニングキャンプ)でも時間を過ごしたが、関心した。若い選手だがハングリーさを持っていて、彼には未来がある。彼からはジャージィへの意欲が伝わる。
忘れてはいけないのは、田村優。今回のビッグパフォーマンスを望んでいます。彼がいたからこそ日本ラグビーがうまくいったところもあります」
――ロック、バックスリーで新顔が多いが。
「全員、ポテンシャルがある。チームによっては同じポジションに2~3人ベストプレーヤーがいて、ゲームタイムがもらえない人もいる。我々としてはその選手に時間を与え、見たいところもある。彼らはスキルセットを証明でき、ポテンシャルのある選手だと見ています。ただ、いままで一緒に仕事をしたことがない選手が多いので、彼らとコネクトしたいです。過去にあったサンウルブズ、ウルフパック(日本代表、サンウルブズの予備軍のような立ち位置のチーム)、NDSというチームを強くする機関は(十分では)ない。ただ今回は、二つのチームを作ることで選手を見ることができます。彼らは期待に応えてくれると考えます」
――日本大会以来の復帰となった堀江翔太選手について。
「クオリティの高い選手。一貫性を保って怪我をせず、シーズンを終えたと思っています。年齢を感じさせず、プレッシャー下で冷静にプレーしていたとも思っています。インパクトを出し、負ける試合も彼が出ることで勝った時もある。ラグビーは変わっていくスポーツ。ワールドカップ日本大会時と比べると80分以上、いいプレーをしていく(必要性が高まっている)。イングランド代表、アルゼンチン代表(予選同組の強豪)とやるには、選手層を厚くすること、彼のような経験のある選手が活躍していくことが大事」
――ジョン・ミッチェル新アシスタントコーチについて。
「彼は質の高いコーチ。イングランドでもコーチをしていますし、南アフリカのスーパーラグビーのチームでも経験をしています。経験豊富で、ディフェンス、アタックとも指導しています。ワールドカップも(指導者として)経験している。私とトニー(・ブラウンアシスタントコーチ)は2016年から一緒にやっていますが、彼が来ることは選手にとってもいいエナジーになる」
――リーグワンの所感は。
「トップのチームはよかった。質の高い日本人、外国人がいるなか、下のほうのチームは苦戦。そこで自信を失ったり、怪我をしたりした選手、調子を落としたチームが存在したのではないでしょうか。それに対し、スーパーラグビーにサンウルブズ(日本代表のきょうだいチーム)がいた頃は、よりテストマッチレベルに近いところで試合ができたことは感じています。そのため、(サンウルブズがないいまは)ふたつのチームを選んで試合をたくさんしていくことを目指します」
藤井ナショナルチームディレクターは、5月中旬の実施を目指していたNDSと韓国代表とのゲームについて、現状ではおこなえない可能性が高いとした。一方、秋にはNDS相当のチームの海外遠征を実現させたいという。