小中高校生のインターネット利用端末はスマートフォンが一番(2020年公開版)
スマートフォンが一番、携帯ゲーム機が続く
子供達のライフスタイルを大きく変化させたインターネット。そのインターネットを利用する窓口となるデジタル機器は、どのようなものがよく使われているのだろうか。内閣府が2019年4月に報告書を発表した「令和元年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の内容を基に確認していく。
次に示すのは調査対象母集団における、該当機器でインターネットを利用している人の割合。回答者が「使っている」と判断する程度の利用状況が示された形となる。また該当機器を利用していても、それがインターネットと接続されていない状態であれば、回答には値しない。対インターネット利用者比率ではなく、対全体比であることに注意。例えばスマートフォンの63.3%はインターネット利用者のうち63.3%ではなく、調査対象母集団の63.3%を意味する。
全体ではスマートフォンによるインターネット利用がもっとも多く、63.3%。次いで携帯ゲーム機が31.2%、タブレット型端末が29.6%と続く。ノートパソコンは2割にも満たない。デスクトップパソコンに至っては6.9%で、据置型ゲーム機よりも低い値。
小中高校生すべてを合わせた平均であることから、いくぶん均されている感はあるものの、子供達の間でもすでに「インターネットの窓口はスマートフォン」状態となっている実態が分かる。デジタル端末の操作系でキーボード利用に難儀する一方、タッチパネルなどの使いこなしに慣れる事例が増えているのも、結局のところそれらの機器を使う主用途であるインターネットの利用の際に使うツールが、スマートフォンをメインとしているからに他ならない。普段使うもののスタイルを覚えて当然の話ではある。
学校種類別に見ると
これを小中高の学校種類別に区分した結果が次のグラフ。
小学生ではインターネットへの窓口は携帯ゲーム機が最も多く、次いでスマートフォンとなる。ところがすでに中学生の時点でスマートフォンが最高値を示すようになり、タブレット型端末、携帯ゲーム機が続く形に。ノートパソコンは小学生と比べて回答率は増えているが、それでもスマートフォンの急速な伸びにはかなわない。
そして高校生。圧倒的回答率でスマートフォンがトップにつく。高校生の9割強はスマートフォンでインターネットを利用している計算になる。ノートパソコンによるインターネットアクセスは19.5%、デスクトップパソコンは9.1%のみ。スマートフォンそのものの普及利用率にも多分に、そしてそれは保護者側の判断に左右されるところではあるが、小中高校生にとってスマートフォンはインターネット利用のための必須アイテム的な存在となりつつある。まさにスマートフォン無双な状態にある。
高校生に限ればインターネット利用のためのツールはスマートフォン9割台、タブレット型端末とノートパソコン、携帯ゲーム機が2割前後、デスクトップパソコンは1割足らず。パソコンのみを単純に積み上げ試算しても3割には届かない。授業などではキーボードを用いる機会は得られるだろうが、高校生自身はその多くがキーボードを使う端末を「インターネットを使っている」との認識対象とはしていない。
「若年層のキーボード離れ」がネットスラング的に語られているが、高校生の現状を見るに、あながち的外れではない感は否めない。
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※令和元年度青少年のインターネット利用環境実態調査
2020年1月10日から2月14日にかけて、2020年1月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(保護者は訪問配布訪問回収法)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法(保護者は加えて郵送回収法)を併用している。有効回答数は青少年が3194人(うちウェブ経由は255人)、保護者は3384人(うちウェブ経由は115人、郵送回収法は41人)。
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