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Google、いよいよサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスを発表へ

ジェイ・コウガミデジタル音楽ジャーナリスト
Google music subscription service

Googleは現地時間15日から開催する開発者向けカンファレンス「Google I/O」で、独自のサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスを発表します。Googleが新しい音楽サービスを立ち上げることで、SpotifyやRdioなど先行する音楽ストリーミングサービスや、IT業界で競合するAppleやAmazonなどとデジタル音楽の分野での競争がさらに激しくなると予想されます。

Googleの新しい音楽サービスは、Google Playを中心として構成され、購入ができるダウンロードストアとクラウド上でコンテンツを保存できるデジタルロッカーサービスと連携したサービスになる模様です。サービスの内容は競合のSpotifyと同様のストリーミングサービスで、音楽をオンデマンドで配信したり、PCやモバイル端末での視聴が可能になる予定です。

今回発表予定の音楽サービスは、先日開始したYouTubeのサブスクリプション型有料チャンネルとは別のサービスとなります。

ニュースを伝えたThe Vergeによれば、Googleはユニバーサルミュージックおよびソニーミュージックの間で、YouTubeとGoogle Playでのライセンス契約に合意したとレポートしています。Googleはすでにもう1社の大手レコード会社のワーナーミュージックとライセンス契約を結んでいます。

ニューヨーク・タイムズによれば、Googleの音楽ストリーミングサービスは、有料サービスとして提供予定です。現時点での価格帯は不明です。またウォールストリートジャーナルによれば、契約の一部にYouTubeがオーディオのみのライセンス契約を締結しようと交渉を進めているそうです。

音楽業界への影響

Googleの新しい音楽サービス発表は、同じく音楽ストリーミングサービスの分野に進出しようとしているAppleを先行することになります。AppleはオンデマンドではなくPandora RadioのようなオンラインラジオサービスにiTunesとの連携に組み込んだ「iRadio」と噂されるサービスの開発を進めています。しかし、レコード会社との交渉が難航し、なかなかサービスを発表するところまで至っていません。Googleの新サービスが開始することで、Appleのサービスに進展が生まれるか、または交渉を長引かせる要因となってしまうのか。競合の動きは気になります。

一方でGoogleのサービスには無料メンバー用のプランが用意されていません。Spotifyなどの音楽サービスは無料会員を増やし、プレミアムのサービスを有料会員に提供するフリーミアムモデルを採用しています。Googleでは同社のサービスの他にもYouTubeも独自の音楽サービスを立ち上げるためにレコード会社と交渉をしているとの話も聞かれます。

また、これはGoogleにとって音楽に特化したサービスなのでしょうか? それともiTunesストアのように異なるコンテンツを展開するための足がかりにするのでしょうか? 音楽サービスだけを運営するのでは、すでに成功しているAppleの牙城を崩すのは難しいと感じますが、Googleはどのようにして音楽サービスからマネタイズをする戦略を打ち出すのでしょうか?

音楽ビジネスはどこに向かって行くのだろうか? 15日(日本時間16日)のGoogle I/O、そして今後のGoogleの動きは注目です。

デジタル音楽ジャーナリスト

専門は「世界の音楽ビジネス、音楽業界xテクノロジー」の執筆・取材・リサーチ。音楽ビジネスメディア「All Digital Music」、音楽業界専門のマーケティング支援会社「Music Ally Japan」や、音楽ストリーミング・データ分析プラットフォーム「Chartmetric」日本事業展開も担当。グローバル音楽業界、レコード会社、ストリーミングサービスのビジネスモデル、トレンド分析、企業分析に関する記事執筆多数。

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