動物を極めたパンク町田さんが“環七系背脂豚骨ラーメン”を手掛ける理由
動物を知り尽くした男・パンク町田さんが開いたラーメン店「らー麺 ゴルジ」が復活オープンしたということで取材に行ってきた。
パンク町田さんは昆虫から爬虫類、鳥類、猛獣といったありとあらゆる生物を扱える動物の専門家で、メディアに毎日のように出演しているので知っている人も多いだろう。
「ゴルジ」はそんなパンクさんが手掛けるラーメン店。動物を知り尽くした男が作るラーメンとはどんなものなのだろう?
お店は人と動物の関係における新しい可能性について研究をするための施設「アルティメット・アニマル・シティ(UAC)」内にある。
千葉県旭市の山の中に突如現れる要塞のような建物の周りにたくさんの動物たちが生活している。
というわけで「ゴルジ」は山の中にある完全なる秘境のラーメン店なのだ。そんな「ゴルジ」が4年ほどの休業を経て復活オープンした。
到着するとトドやゾウガメがお出迎え。その他数々の珍しい動物に囲まれた建物の2階に上がると「ゴルジ」はある。
メニューは「ゴルジらー麺」のみで、あとはトッピングやライスのみ。
具はチャーシュー、ゆで卵スライス、ネギ、メンマ。麺は中太ストレート。細麺も選べる。
地元産の上質な林SPFの豚骨と背脂を贅沢に使用した一杯。一口スープを飲むだけで背脂が上質なのがわかる。いい甘味で全くくどさがない。
中野区沼袋出身のパンクさんは環七にゆかりがあったということで、懐かしの環七系の背脂ラーメンを提供している。懐かしい感じだが本当に旨い。林SPFのチャーシューも最高だ。
中華料理店を営んでいた父が、ラーメン店を開くという夢を叶えられずに亡くなったことから、パンクさんのラーメン熱に火が点いた。
動物の知識は豚骨ラーメン作りにも生きていて、どのぐらいの年齢の豚が骨にいちばんコラーゲンが入っているか、どのぐらいまで成長させると骨髄の量が増えるか、何歳ぐらいから骨髄が臭くなるのかなどをしっかり把握したうえで、使う豚と調理法を確立していったんだそう。
パンクさんは「みんな勘違いしているけど“臭み”とは“旨味”なんだよね」と嬉しそうに話す。
替え玉(細麺)、辛ネギ、ライスもいただき、スープの最後の一滴まで楽しむ。
ネギも地元の指定の農家から仕入れている。
動物を食べる時はなるべく無駄をなくすのがモットーのパンクさん。
普段は捨てられてしまう骨までを旨味に変えてラーメンに仕上げる豚骨ラーメンはその極みだという。
動物施設やクリニックで働く女性には毎回5玉替え玉する人もいるという。それぐらいの美味しさだ。
ただこの日のスープの出来は「73点」だという。パンクさんの味の追求の日はまだまだ続く。
らー麺 ゴルジ
千葉県旭市上永井875
※1日50食限定
※写真はすべて筆者による撮影