病院とは思えない?点滴に来たらやたら聞かれた大切な文化
オランダ在住のひかさん。病院へ診察に来たらドクターから「点滴」を受けるように言われて初めてオランダでの点滴を受けることになりました。
点滴室には複数のリクライニングチェアが配置され、カーテンで仕切ることもできる設計になっていましたが、ほとんどの患者がそれを使うことなく、開放的に過ごしていたそうです。パソコンで作業をする人、スマホで動画を楽しむ人、さらには電話で会話をする人もいるなど、それぞれが自由に時間を楽しんでいました。病院でありながら、そこは緊張感の少ない、まるでカフェのようなリラックスした空間でした。ただし、みんな片手には点滴が繋がれており、それが唯一「病院」であることを感じさせる要素でした。
その中で、看護師さんたちの温かい配慮がさらに印象深かったそうです。「飲み物はいかがですか?」と声をかけてくれるだけでなく、フルーツの盛り合わせが用意され、点滴中の1時間半の間に3度も飲み物の確認に来てくれたといいます。このような細やかな心遣いは、医療行為を受けている患者が少しでも快適に過ごせるようにとの配慮が感じられます。
実は、オランダでは「ティータイム」の文化が非常に大切にされています。友人の家を訪れた際には、必ずお茶が振る舞われ、カップが空になるたびにおかわりを注いでもらうのが当たり前だといいます。これは、相手を思いやり、共に過ごす時間を大切にする文化の表れでしょう。この習慣が、病院という空間にも自然と反映されているのだと考えられます。
日本ではプライバシーの確保や静けさが重視される一方、オランダでは共存と自由な雰囲気が大切にされているように感じられます。どちらも異なる価値観に基づくものであり、それぞれの良さがあります。ただ、このエピソードを通じて、医療現場にも癒しや快適さを取り入れることで、心が少し軽くなるような空間作りができるのではないかと考えさせられます。
病院がただの治療の場ではなく、心身を整える癒しの場であること。そんな考え方が、患者にとっての安心感につながるのかもしれません。