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中学生の部活動の実情をさぐる(2019年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 多様な部活動。中学生の参加状況は。(写真:アフロ)

部活動は学習指導要領にも定義されている学校教育の一環となる活動だが、生徒や教師に過度の負担が生じているとの批判も強まっている。中学生における部活動の実情を全国学力・学習状況調査(※)の結果から確認する。

まずは部活動に参加しているか否か。学校により方針はさまざまだが、全体としては2/3近くが運動部にのみ、2割ほどが文化部に参加。運動部と文化部の掛け持ちはごく少数。不参加は1割強。

↑ 学校の部活動に参加しているか(中学生)
↑ 学校の部活動に参加しているか(中学生)

この比率は経年でほとんど変わりは無い。なお、例えば運動部を2つ掛け持ちしても、今調査では「運動部のみ」との回答に該当するため、いくつの部活動に所属しているかまでは分からない。

ともあれ内容は多様だが、運動部に所属している生徒が多数なのには違いない。

それではその部活動に、どれほどの時間を投入しているのか。これも所属部活の内容によりけりだが、全体では1割近くが3時間以上との結果となった。

↑ 普段平日1日にどれぐらいの時間を部活動に充てているか(中学生)
↑ 普段平日1日にどれぐらいの時間を部活動に充てているか(中学生)

「ゼロ」があるのは土日のみの部活動の場合もあるが、むしろ部活動に不参加の生徒も回答に加わっているからに他ならない(不参加の生徒の比率12.5%より低い値となっているのは、不参加の生徒のうち回答時に自分自身のことではなく、部活動をする人の平均を答えてしまった人が少なからずいるものと考えられる)。

2時間台は42.3%、1時間台は31.4%。8割以上の人が平日でも1時間以上は部活動に時間を費やしている計算となる。

それでは部活動に参加している生徒は、何が目的なのだろうか。複数の選択肢を提示し、もっとも自分の考えに当てはまるものを答えてもらった結果が次のグラフ。最大の同意を集めたのは「体力・技術向上」で28.8%。次いで「楽しい」が26.7%との結果となった。

↑ 学校の部活動に参加する主な理由(択一回答)(2019年度)
↑ 学校の部活動に参加する主な理由(択一回答)(2019年度)

運動部にしても文化部にしても、自分の体力や技術を高みに持って行くという明確な目的のため、そして活動をすること自身が楽しいと考えている人が多分におよんでいる。さらに明確な目的として、大会に出場してよい成績を取りたいとする人も14.9%いる。

一方で「周囲が参加」「時間がある」などのような、明確な目的意識の下にとは言い難い回答もあるが、少数派でしかない。同好の士を増やしたいとの思惑を持つ人もいるが、こちらも少数派に留まっている。

本来ならば運動部と文化部それぞれに区分した上での時間や目的などが確認できれば、より細かな部活動の実情が把握できたのだが、今調査ではそのような調査結果は公開されていない。とはいえ、全体として中学生の部活動の実情がどのようなものかはおおよそ分かるはずだ。

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※全国学力・学習状況調査

2019年4月18日に国公立および私立の小中学校に対し悉皆調査方式(標本調査ではなく全体を調べる)で行われたもので、実施学校数は小学校が1万9455校、中学校が9550校。国語A・Bと算数(数学)A・B、英語から成る教科調査(学力テスト)に加え、生活一般の実情を問う質問紙調査が行われている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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