ジョージア州の投票制限法に抗議する公民権運動に米ゴルフ界が初のリアクション
3月25日に米ジョージア州で投票制限法の法案が可決されたことを受け、米国の公民権運動団体がマスターズなど同州内で開催されるゴルフや野球の大会の開催中止や選手たちの出場ボイコットを呼びかけている中、米ゴルフ界が初めてリアクションを見せた。
4月3日(米国時間)、米PGAツアーは今秋(9月2日~5日)にジョージア州アトランタのイーストレイクCCで開催予定のプレーオフ・シリーズ最終戦、ツアー選手権を、予定通り、イーストレイクで開催することを発表した。
ただし、その声明には、こんな注釈も付けられていた。
「(予定通り開催することは)今、米国で上がっている声や動きに対してPGAツアーが無関心だとは解釈しないでいただきたい。PGAツアーは、すべてのアメリカ人が平等に投票する権利を守ることを全力でサポートしていくつもりである」
また、女子ゴルフのメジャー大会、KPGA全米女子プロ(6月24日~27日)を主催するPGAオブ・アメリカも声明を出したが、こちらは開催可否の明言を避け、「状況を注視していく」とした。
これらの声明は、ジョージア州で投票制限法が可決、成立したことに対し、公民権運動団体「ナショナル・ブラック・ジャスティス・コーリション(NBJC)」が「投票制限法は郵送による不在者投票の際の身分証明の厳格化など黒人やマイノリティの投票の権利を制限する差別的な内容である」として、「PGAツアーとマスターズはゴルフの多様性を重んじ、我が国における人種的不平等に立ち向かう姿勢を示しているのだから、そんな彼らには、その意志を示すアクションを起こしてほしい」と語ったことを受けて、米ゴルフ界がようやく見せたリアクションだ。
同団体(NBJC)は、ジョージア州のオーガスタ・ナショナルで開催されるマスターズの開催中止とマスターズを含めた同州内で開催される大会への選手の出場ボイコットを求めているが、オーガスタ・ナショナルは今のところはリアクションを見せておらず、すでにオーガスタ・ナショナル女子アマチュアが開催され、終了した状況を鑑みれば、静観と沈黙のまま、来週のマスターズを開催するのではないかと米メディアは見ている。
すでにアトランタに本拠を置くコカ・コーラ社やオフィス・ディポなどの製品やデルタ航空の利用等々のボイコットを呼びかける動きも出ており、メジャーリーグ・ベースボールは7月にアトランタで開催予定のオールスターゲームの開催地変更を発表しているが、それ以外のスポーツイベント主催団体やスポンサー企業の多くは、やはり静観と沈黙を通している様子だ。