【高岡市】まるで実家の様な安心感と美味しいごはん「高岡熱中広場ばなな」でランチをいただきました
旧高岡大和のオタヤセリオのエレベーターの中で気になるポスターを見つけましたよ。「高岡熱中広場ばなな」というユニークな店名です。高岡熱中寺子屋という、市民の学びの場が開催されていますが、関係あるのでしょうか。とても気になるのでランチがてらうかがってみようと思いますよ。
黄色いバナナのポスターが印象的なお店はオタヤセリオ7階にあります。窓にはスタイリッシュな高岡の伝統工芸品が並んでいます。ギャラリーとしても楽しめる様ですよ。こちらの看板メニューは「ばななランチ」1000円。料理を担当される小林さんは「毎日食べても飽きないようにとメニューを考えています。私はずっと専業主婦だったので、家庭で出す料理くらいしかできないんだけどね。」と謙遜されると、「それがいいの、当たり前に美味しいものを当たり前に出せるって素晴らしいことだからね。」と語るのは、元々は市役所の職員として、まちづくりに携わっておられたオーナーの開(ひらき)さん。この2人の信頼とコンビネーションがお店の原動力のようです。「初めは高岡熱中寺子屋で学んだ主婦たち7人で立ち上げたんです。みんなの得意なことを生かして、生きがいや収入を得たいと思ったのがきっかけです。ちなみに婆さん7人で始めたからばななというの、ふふふ。約3年前の立ち上げ時は、それはもう大変で。誰も経営なんて知らないし、半数以上は外で働いたことがないメンバーだったからね。」というお店は今では繁盛店です。
絶え間なく来店されるお客さんたちは「また来ちゃった。」「今日コーヒー飲みに来たよ。スイーツもあるかな?」口々に嬉しそうにホール担当の開さんに声をかけます。開さんは「いつでも来られよ!(※「いつでもおいで」の意)」「来てくれてありがとうね! 甘いもの用意してるよ!」と元気いっぱいに接客、というよりも実家のお母さんのように迎えてくださります。うっかりしていると、(マスターやママさんの意でない)「お母さん」と呼んでしまいそうな安心感です。小林さん率いる料理チームの作る定食は、和洋中さまざまなメニューがありますが、どれも優しいお袋の味です。地場産の野菜がたっぷり摂れます。高岡市広域では「ひろず」と呼ばれるがんもどきは戸出の孫兵衛さんのもの。孫兵衛さんファンも「ばなな」へ足を運ぶそうですよ。お米も契約農家のコシヒカリを使用、特に甘さとツヤは、米どころ富山県に住んでいながらも驚きのクオリティ。
小林さんの作るおかずは、味も包丁裁きもどれも繊細。薄くスライスされた玉ねぎはもはや神業です。「この手の込んだお惣菜たちが箸を止めてくれませんね。」と伝えたところ、「そうなの。うちの店、量はしっかりあるけど、高齢者も含めて残食率がとっても少ないの。」とのこと。やっぱりそうか、楽しくおしゃべりしながらなのに、気づいたら目の前のお皿が空ですからね。美味しくいただきました。
何気にふらりとやってきたのに、その経緯やバックグラウンド、開さんたちの想いに触れることのできるお店でした。野菜や料理、まちづくり、コミュニティについて、楽しく笑いながら感動し、深く考えるきっかけになりますよ。皆さんもぜひこの感動を味わいにきてくださいね。