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市場価値は3000万ドル?!ベーブ・ルースの伝説的ユニフォームがネットオークションに出品される

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
現在も米国で確固たる人気を誇るベーブ・ルース氏(写真:ロイター/アフロ)

【ベーブ・ルース氏が現代で新たな伝説を樹立】

 大谷翔平選手の出現により、日米両国で“元祖二刀流”として今まで以上にその存在が脚光を浴びることになったベーブ・ルース氏。今更説明する必要も無く、MLB史上に数々の伝説を残していた選手だが、現代において新たな伝説を築こうとしている。

スポーツ専門サイト「the score」によると、ルース氏の伝説の1つとして1932年のワールドシリーズ第3戦で予告ホームランを放っているのは有名なエピソードだが、その時に着用していたユニフォームが現在、ネットオークションにかけられているのだ。

 すでにMLB関連グッズの史上最高額を更新しており、最終的にどれだけの額で落札されるのか注目が集まるところだ。

【これまでMLB関連グッズの最高落札額は1260万ドル】

 今回ルース氏のユニフォームをオークションに出品したのは、「ヘリテージ・オークションズ」社で、この記事を執筆している時点(日本時間8月17日正午)で、すでに1490万ドルの値がついている。

 ちなみにこの額は、2022年にMLB関連グッズとして史上最高額で落札されたミッキー・マントル氏の1952年製ベースボールカードの1260万ドルを超えており、すでに史上最高額で落札されることが確定している。

 オークション期間はあと7日残っており、オークション会社のスポーツ部門部長であるクリス・アイビー氏によれば、今回のユニフォームは3000万ドルの史上価値があると試算している。

【かつてウェルズ投手がルース氏の帽子を被って公式戦出場】

 オークション会社はユニフォームの他に、1930年代初頭に同じくルース氏が使用していた帽子も出品しており、こちらも現時点で17万ドルの値がつくなど、現在も引き続きルース氏の人気の高さを窺い知ることができる。

 ちなみにMLB選手の中にも、ルース氏をこよなく愛する選手が存在しているのをご存じだろうか。中でも有名なのが、MLB通算239勝を記録している先発左腕のデビッド・ウェルズ氏だろう。

 ウェルズ氏はルース氏が好きすぎるあまり、1997年にFAとしてヤンキースと契約合意した際に、永久欠番になっているルース氏の3番を使用したいとチームに直訴したほどだ。もちろんヤンキースがウェルズ氏の希望を受け入れることはなく、その代わりウェルズ氏は33番を使用している。

 ウェルズ氏のルース氏に対する愛はそれだけに止まらない。1997年6月28日のインディアンズ(現ガーディアンズ)戦に先発したウェルズ氏は、3.5万ドルで落札した1934年にルース氏が使用していた帽子を被り公式戦に出場しているほどだ(ただし試合途中にジョー・トーリ監督に叱責され、すぐに変更している)。

 今も変わらず高い人気を誇るルース氏だけに、落札最終日にどんな値をつけるのか今から楽しみでならない。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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