ゴルフ界に大きな変革!?「アマチュア資格」の規定をシンプル化して「もっとチャレンジを!」
また1つ、ゴルフ界に大きな変革が起ころうとしている。ゴルフルールをつかさどるUSGA(全米ゴルフ協会)は、欧州ゴルフの総本山R&Aと協議を重ねた上で、長年の懸案だった「アマチュア資格」に関する規定を大幅変更する提言をまとめ、発表に踏み切った。
「これをやったら、アマチュア資格を失うのだろうか?」とは、プロゴルファーを目指す予備軍たち、あるいはアマチュア資格を維持したままハイレベルな競技に出場したいと考えるトップクラスのアマチュアたちにとって、常に悩みの種だった。
「このお金をもらったら、アマチュアではなくなる?」「このトーナメントに出た瞬間、プロとみなされてしまう?」「クラブやボールをメーカーから提供してもらったら、アマチュア資格を失う?」「遠征費用や試合のエントリーフィーを誰かから支援してもらったら、規定違反になる?」
こうした疑問は、プロ予備軍やアマチュアプレーヤーのみならず、ゴルフ用品メーカーやゴルフ関係者、あるいは高校大学のゴルフ部関係者、保護者たちが、いつも頭を悩まされている問題だ。
規定内容や項目が複雑ゆえに、正確には理解しにくい。しかし、ルールに従ってひとたび「アナタは、もはやアマチュアではない」「アナタは今からプロとみなされる」と規定されてしまったら、それを翻すことはできないほどの効力がある。だからこそ、複雑なその決まりは、プロ予備軍やトップアマチュアたちを時として苦しめてきた。「経済的支援が受けられれば、ゴルフが続けられるのに」という人々にとっては、その決まりは人生のチャレンジを遮る障害にもなってきた。
だからこそ、今こそ、「アマチュア・ステイタスを見直そうと考え、この提言をまとめた」とは、USGAゴルフルール&アマチュア・ステイタス部門のシニア・ディレクター、クレッグ・ウインター氏の言。
今回の提言では、複雑だった決まりを単純化し、アマチュア資格を失うのは次の3つの場合のみとした。
1,750ドル以上の「賞」を受け取る(現金とは明記されておらず、商品券等も含まれると考えられる)
2,インストラクション(レッスン)の報酬を受け取る
3、ゴルフプロフェッショナルのための機関や団体(PGAオブ・アメリカなど)の職やメンバーシップを得る
最大の特徴は、スポンサーシップに関する規定がすべて撤廃されること。これによって、高額なクラブやボールの購入費用がネックになってプロゴルファーやより上級者への道を断念するというケースを無くすこと、減らすことが狙いである。
そして、アマチュア資格を失うのは上記3つのどれか(あるいは複数)に該当した場合のみという具合に決まりをシンプル化し、この3つ以外のことは何も気にせず、「多くのアマチュアに、もっともっと、いろいろなことにトライしてもらいたい」と、この提言は強調している。
これから3月26日までのほぼ1か月間は各方面からの意見やフィードバックを求め、再検討した上で、2022年1月1日から新ルールを施行する予定だ。
そうなれば、トップレベルのアマチュアゴルファーは、もっと自由に、もっと広く、いろいろなチャレンジができるようになる。ゴルファー層の拡大と底上げ、優れたプロゴルファーの育成と拡大にとって、これは間違いなく朗報である。