【北九州市若松区】海外からもお客様が訪れる場所~北九州イスラム文化交流センター(KICC)
北九州市にはインドネシア、マレーシアなどのアジア圏、レストラン OROBIのヒラリさんをはじめとする、北アフリカ、シリアをはじめとする中東のムスリム(イスラム教徒)の方々が多く住んでいます。
数年前までは、彼らの重要な習慣である、「金曜礼拝」、断食月の「イフタール」などを行える場所がなく、長年、寄付を集め、日本家屋を購入し、2022年3月26日に「北九州イスラム文化交流センター(KICC)」が開設されました。
Welcome to Japan!
今回、私がKICCに向かったのは、海外からのお客様が数日滞在されると伺ったためです。
KICCの方に取材を申し込むと、彼らに確認していただき「英語での取材ならOKです」と回答をいただきました。
実は、ほとんど英語ができない私。
どうしようかと思いながら、まずはインドネシア語の挨拶を少しだけ覚え、あとは、携帯の翻訳アプリに頼るつもりで出かけました。
取材当日は金曜日だったため、訪問時には多くのムスリムの方々が、礼拝中。
しばらく待機して、さて取材。
はらはらしていると、ハディさんが「はなこさん、取材でしょ?聞きたいことを教えて」と手助けをしてくれることに!
取材を申し込んだ際、KICCの方は私の英語力のなさをご存じなので、通訳をハディさんに依頼してくれていました。
彼らと初めて対面させていただいたとき、せっかく覚えたから、と張り切って
「ようこそ」をインドネシア語(シンガポールでも使われているそうです)で伝えたところ、みなさん、大笑い。
ハディさんが「はなこさん、それは『さよなら』ですよ」
それ以降、通訳は、ハディさんと、ブライアンさんにお任せしました。
日本との習慣の違い
私が聞きたかったことは、大きく2つ
●ムスリムが少ない日本になぜやってきたのか
イスラム教ではない国にいるムスリムの方々と、家族のような付き合いをするためだと説明してくれました。
ムスリムの方々は、初めて会っても、男性なら「Brother」女性なら「Sister」と呼びかけ、家族のような付き合いをされているとのこと。
男性同士、女性同士では、出会ってすぐに、ハグをして、挨拶をかわしているのをよく見かけます。日本人同士だと、まず見かけない習慣です。
●みなさん、会社員(中には引退されている方もいましたが)なのに、長期の休みを取ることができるのか
私でも知っている、「メッカ巡礼」は、周囲の方に理解をしてもらえそうですが、
ムスリムの少ない日本に、1ヶ月も休みを取って仕事は大丈夫なのか、周囲の理解はあるのか、心配していましたが、大丈夫とのこと。
日本人の当たり前は、他国での当たり前ではないことに気づかされました。
彼らは、先月の半ばに来日し、今月末まで日本各地のムスリムの方々と交流を深めた後、帰国されるそうです。
彼らが日本で楽しい思い出を作り、無事に帰国することを願います。
ご縁があって手元に来たクルアーン注釈書
シンガポールからのお客様に取材する前日。
本当に、偶然に、この本が私の手元にやってきました。
クルアーンは、日本語ではコーランと呼ばれる「イスラム教の聖典」
本来ならば、アラビア語で書かれたものだけがクルアーンと呼ばれ、
他言語で書かれたものは「注釈書、解説書」扱いになるようです。
今は、KICCに置かせていただいています。
定期的にある行事と大々的なイベント
KICCではいろんな行事が行われています。
その中でも一番のイベントは、断食明けの「イード・アル・フィトル」と呼ばれるもので、KICCに県外からも、何百人ものムスリムの方々がここに集まります。
初めて出会った人同士が、断食明けを祝い、あちらこちらで、挨拶を交わしあうのを見ると、ムスリムの方々にとって、重要なイベントなのだと痛感します。
また、イベントによっては、地域の方々や関係者をお招きして、一緒に楽しい時間を過ごしています。
私も、友人たちを連れて参加させていただいています。
地域の火の用心の夜回りは、数人のムスリムの方が参加して、地域の方々との交流を深めています。
今回のような、KICCの清掃と終ってからのランチも定期的に行われており、日本人が参加することもあります。
今回は、大人数になることが予想されるため、駐車場の用意が出来ません。
来場される方は、公共交通機関でお越しください。
北九州イスラム文化交流センター
住所:福岡県北九州市若松区東二島2丁目17-3