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板尾創路の「ご想像にお任せします」は不倫報道へのファイナルアンサー

大宮冬洋フリーライター

 すごく興味があるわけではないけれど、ネットや雑誌の目次で見かけると面白がってしまうネタ。有名人の色恋沙汰はその最たるものだろう。筆者は2ヶ月前に視聴者・読者側の取るべき姿勢を本連載で主張した。つい笑ってしまうけれどその後は適当に受け流すのが大人の対応だ、と(該当記事はこちら)。

 報道される側は大変だ。某女性政治家のように完全否定をすると、取材はより過熱して、不倫を疑われる相手にも迷惑をかけてしまいかねない。

 潔く認めて謝ればいいのだろうか。しかし、本当に謝るべき先は双方の配偶者のみであり、「世間」や「ファンの皆様」には何の迷惑もかけていない。「お騒がせしたことをお詫びします」などが常套句だが、勝手に詮索して騒いだのは誰なのか。むしろ笑える話題を提供してあげたことを感謝されてもいいぐらいだ。役職を辞任したりする必要はまったくない。

他人のプライベートを詮索する側のほうが下品

「ご想像にお任せします」

 グラビアアイドルとラブホテルで過ごしたことを問われたお笑い芸人の板尾創路は、テレビなどの取材に対して無表情で答えていた。筆者は、これこそが不倫報道へのファイナルアンサーだと思う。

「ホテルの中で何をしていたのか?」

「想像してください」

「色に例えると?」(週刊文春の取材に「オフホワイト」と答えた宮迫博之を想定した質問)。

「(あなたの)好きな色で!」

 好きな色である「黒」を選ばせてもらって、彼らがラブホテルの中でセックスしている様子を想像してみよう。ちょっとだけ興奮した後、急速に虚しくなる。不倫したかもしれない彼らよりも、他人のプライベートを覗いたり想像したりするほうがはるかに下品だと知るからだ。

 有名人が公開していないプライベートな事柄を「知る権利」があるのかどうかはわからない。刑事事件などではない限り、知る権利もその必要もない気がする。

 今後もゴシップはなくならないし、我々視聴者・読者も薄い関心を向け続けるだろう。しかし、取材される側には大きな変化があった気がする。板尾創路が冷やかに言い放った「ご想像にお任せします」が模範解答になるからだ。どんな証拠を突きつけられたとしても、勝手に「想像」させておけばいい。1週間も経てば、ターゲットは別の有名人に移る。

 板尾創路と同じように対応することを繰り返していけば、やがて社会全体が不倫報道に興味を失うはずだ。それは改善であり成熟だと筆者は思う。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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