パートやアルバイトのおこづかい・昼食事情をさぐる
おこづかい額は月額で男性2.4万円、女性1.9万円
パートタイムやアルバイトとして働く人たちの賃金動向は多方面で調査されているが、おこづかいや昼食代の実情はあまり知られていない。その内情を新生銀行の定点観測的調査報告書「サラリーマンのお小遣い調査」(※)の最新版を元に確認する。
まずはじめに示すのは、一か月あたりの平均おこづかい額。男性は2.4万円、女性は1.9万円の結果となった。
男女共に年齢による規則性は特になく、ランダム感が強い。大よそ全体の値を中央値として上下にぶれている感はある。20~30代ではさほど男女の差異は無いが、40代以降は差異が大きく出る形で男性の方が高い状態を示すのは、女性では多分に世帯持ちで子供の養育費をまかなうためにパートを行う事例が多く、自分に充てる額面も削らざるを得ないからだろう。
勤務日における持参弁当以外での昼食代はおよそ500~600円。
男女ともに30代が突出しているが、何か特別な理由があるのではなく、イレギュラー的に生じた結果と見た方が道理は通る。同時期の会社員における平均昼食代が男性で590円、女性で581円であるのを見ると、やはり低く抑えざるを得ないお財布事情がうかがえる。特に女性20代と男性40代の400円台前半の額は、かなり厳しい状況に違いない。
飲み事情でもお財布の中身のきびしさが
お財布事情が厳しいと、当然仕事の後の楽しみの一つである「飲み」に関する状況も厳しいものとなる。パート・アルバイトは会社員と比べても「飲まない人が多い」「飲む人でも家飲みの人が多い」結果となっている。
男女共には4割前後は酒を飲まず、飲む人でも半数以上は家飲み。歳が上になるほど外で飲まない人が増えるのも特徴の一つで、会社員と同様に「飲めるし飲みたいが金銭的な事情で」に加え、仕事場での同業者とのつながりが得にくいのも要因であると考えられる。中長期的な就労が考えにくい、あるいは時間の制約もあるパートやアルバイトの人同士が、仕事を終えた後に居酒屋に寄って一杯……とのパターンは会社員と比べると難しいのだろう。女性の場合は既婚者のケースが多く、外飲みが難しいとの事情があるが。
飲みをするにしても、やはり昼食代やおこづかい同様、パート・アルバイトの立場にある人は、会社員と比べるとひかえめな金額となってしまう。
パート・アルバイトの金額は会社員の大よそ7割強の額面に留まっている。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、直近における正規・非正規の賃金差は7割前後。今件調査の会社員には非正規社員も含まれているが、大よそ近しい比率ではある。
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※2017年サラリーマンのお小遣い調査
今調査は2017年4月7日から9日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数のうちパート・アルバイトに属する人達は、男性415人、女性258人。年齢階層日は男性が20代・30代がそれぞれ140人、40代73人、50代62人。女性は10歳区切りでほぼ均等割り当て。今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではないことに注意。