Yahoo!ニュース

ゆうちょ銀行も定期貯金の金利を引き上げ、5年で0.070%とメガバンクなどと横並びに

久保田博幸金融アナリスト
(写真:西村尚己/アフロ)

 ゆうちょ銀行は12日、定期貯金の金利を引き上げると発表した。預入期間5年の金利を0.002%から0.070%にする。15日から適用する。日銀の金融政策修正を受けて長期金利が上昇していることなどを踏まえた措置(12日付時事通信)。

 三菱UFJ銀行は昨年11月1日に5~10年の定期預金金利を大幅に引き上げると発表した。同月の6日から適用している。

 10年定期の金利はそれまでのの0.002%から0.2%に引き上げ、これは2012年以来の高水準になった。5、6年はそれまでのの0.002%から0.07%に引き上げた。

 三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行、そして三井住友銀行とみずほ銀行も追随した格好となった。これらにやや遅れて「ゆうちょ銀行」も預入期間5年の金利を0.070%として横並びの金利としたものとみられる。

 気になるのはどうして、三菱UFJ銀行の金利引き上げから、2月もの期間を置いたのか。

 長期金利の動向を確認していた可能性もある。期間5年の国債の利回りは11月1日時点で0.485%と0.50%近くなっていた。その後の国債利回りは低下基調となり、1月12日時点で0.175%となっていた。

 0.175%に低下したといえども、銀行としては利率0.070%の預金というかたちで借りて、そのまま5年国債を0.175%で購入しても、0.1%の鞘が取れる計算ではある。

 ちなみに1月12日から募集が開始された個人向け国債の5年固定の利率は0.18%(税引き前)となっており、利率からみれば、ゆうちょ銀行などの5年定期よりも

個人向け国債の利率の方が有利になることも確かではある(売却できない期間が1年間あるが)。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

牛さん熊さんの本日の債券

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月20回程度(不定期)

「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを牛さんと熊さんの会話形式にてお伝えします。昼には金融に絡んだコラムも配信します。国債を中心とした債券のこと、日銀の動きなど、市場関係者のみならず、個人投資家の方、金融に関心ある一般の方からも、さらっと読めてしっかりわかるとの評判をいただいております。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

久保田博幸の最近の記事