1個600円! 「すみれ」監修の最強オブ最強の味噌カップ麺をラーメンライターがガチレポート!
「すみれ」。
札幌味噌ラーメンのレジェンドオブレジェンドな存在だ。
昔から「札幌味噌ラーメン」という名前は知られていたが、首都圏で本格的な札幌味噌ラーメンが愛されるようになったこと、そしてさらに札幌味噌ラーメンが全国区になっていったのは、「すみれ」の存在があったからこそだろう。昭和39年の創業以来、トップを走り続ける名店だ。現在は、札幌に3店舗、横浜に1店舗を構える。
店主は村中伸宜さん。
鍋で味噌とスープを焼きながら作るその技術は大変高度なものであり、熟練した職人しか作ることができないという。村中さんのもとで修業し、「すみれ」の技と心を習得した弟子達が独立して開店したラーメン店は10店舗以上へ拡大し、そのすべてが人気店に成長。全国の札幌味噌ラーメンブームを牽引している。
そんな「すみれ」が文字通り最強のカップ麺を監修したと聞き、早速ゲットした。
その名も「すみれオールスターズ ムラナカの一杯 味噌ラーメン」。2024年9月8日(日)より発売される。
村中さんが冬季限定で開いているムラナカラーメン研究所が、一切の妥協なく作った究極のカップ麺だ。
ムラナカさんはヤマダイから出ているカップ麺「凄麺 札幌濃厚味噌ラーメン」の美味しさに惚れ込み、直々に開発をオファー。
コストに糸目を一切付けずに、今できるベストな素材、技術で仕上げたカップ麺の域を超越した一杯だ。
なんと価格は600円(税別)。そのぶっ飛んだ価格に村中さんの並々ならぬ気合を感じる。
パッケージには全国にある「すみれ」出身店「すみれオールスターズ」の店名がズラリ。そしてフタを開けると名店の店主の顔がズラリ。これだけでもテンションが上がってくる。
中には4袋が入っている。かやく、液体スープ、粉末スープ、チャーシューとメンマのレトルトだ。
かやくを入れてお湯を入れ、フタをして5分待つ。この時、必ず液体スープをフタの上で温めてほしい。
フタを開けて麺をほぐした後、スープを入れてかき混ぜ、チャーシューとメンマをのせれば完成だ。
液体スープを入れる時、味噌が出てくる前にドロリとラードが出てくる。これが実に「すみれ」っぽいなと感じた。
スープを一口。
味噌の香ばしさと旨味、そして熱い油、ニンニクなどの香り。これがどどっと押し寄せてきて、「すみれ」らしさとパンチ、底なしの旨味を感じる。
麺はヤマダイ自慢のモチッと感のあるやや平打ちのノンフライ麺。カップ麺とは思えない食感と弾力にため息が漏れる。乾燥ながらシャキッと感の残るモヤシがアクセントになり、食べ飽きない作りになっている。
チャーシューとメンマが乾燥ではなくレトルトなのも嬉しい。チャーシューは小さいながらもしっかりと肉感がある。
とにかくスープである。もう止まらない。
味噌の旨味もそうだが、やはりポイントは「油」だろう。以前、村中さんに取材させていただいた時にも、
「生味噌から作る製法は、しょっぱさを感じつつも油と混ざって良い塩梅になります。
うちのラーメンは札幌でも独自の作り方なので、皆さんびっくりしてくれて、思った以上に反響があったんです」
とおっしゃっていた。
味噌と油の放つこのパンチのある旨味こそが札幌味噌ラーメンが全国を虜にした立役者なのである。
ハッキリ言って私が生涯で食べた味噌ラーメンのカップ麺ではダントツのクオリティ。現時点での味噌カップ麺の最高峰と言っていいだろう。自信を持ってご紹介したい。
発売場所は「すみれ」、「ムラナカラーメン研究所」、「すみれオールスターズ」の店舗、新横浜ラーメン博物館などとなっている。スーパーマーケットやコンビニには並ばないので注意してほしい。
※写真はすべて筆者による撮影