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山本由伸の防御率45.00は先発デビューの日本人投手ワースト。これまでの投手の2登板目は!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース)MAR 21, 2024(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 3月21日、山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース)は、1回表を終わらせるまでに43球を費やし、2回表のマウンドには上がらなかった。被安打4、与四球1、与死球1、奪三振2、5失点(自責点5)。防御率は45.00だ。ドジャースは、8回裏に1点差まで詰め寄ったものの、一度も追いつくことなく11対15で敗れ、山本には黒星がついた。

 先発投手としてメジャーデビューした日本人選手は、山本が22人目だ。初登板の防御率45.00は、そのなかで最も高い。2023年4月1日に藤浪晋太郎(当時オークランド・アスレティックス/現ニューヨーク・メッツ)が記録した、30.86を上回った。

筆者作成
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 この防御率は、1登板の数値に過ぎない。とはいえ、1イニングで降板は、22人の最短だ。1999年7月19日の大家友和(当時ボストン・レッドソックス)は、2回表に最初の2人を出塁させたところで交代したので、山本より長い。

 また、初登板で5失点以上は、山本の他に6人いるものの、初回に5失点以上は、山本しかいない。これまでは、大家と2012年4月9日のダルビッシュ有(当時テキサス・レンジャーズ/現サンディエゴ・パドレス)が記録した、4失点が最も多かった。

 山本の前の21人中19人は、2登板目も先発マウンドに上がった。あとの2人のうち、長谷川滋利(当時アナハイム・エンジェルス)の2登板目は、リリーフ投手として1.2イニングで1失点。5回表の1死二塁から投げ、最初の2人を討ち取ったが、次の回、ウェイド・ボッグスにホームランを打たれた。村田透(当時クリーブランド・インディアンズ)は、先発とリリーフを問わず、メジャーリーグでは1度しか登板していない。

筆者作成
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 ドジャースは、3月28日から、ドジャー・スタジアムでセントルイス・カーディナルスと4試合を行う。山本は、そのいずれかに登板するだろう。3月29日か30日の可能性が高い。

 19人のうち、1登板目も2登板目も5イニング未満は、藤浪と大家の2人だ。どちらも、2試合続けて敗戦投手になっている。

 山本のシーズン防御率は、次の登板が6イニングで自責点3だと、45.00から10.29となる。6イニングで自責点2、あるいは7イニングで自責点3の場合、防御率は9.00だ。6イニングで自責点0なら。防御率6.43。9イニングで自責点0であれば、防御率は4.50まで下がる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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