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「非マナーサッカーの日本」「GK小久保のスーパーセーブが日本を救った」“肘打ち一発退場”韓国の視点

金明昱スポーツライター
肘打ちでレッドカードが出され退場となったDF西尾隆矢(写真:REX/アフロ)

 サッカーパリ五輪予選兼U-23アジアカップの1次リーグB組初戦で、日本が中国を1-0で下した。ライブで試合を見ていたが、劣勢に立たされながらも勝ち切った日本の奮闘ぶりが光る試合だった。

 日本は前半17分、DF西尾隆矢が相手MFと接触した際に左肘が顔面に当たると、VARの結果レッドカードで退場。10人となった日本は劣勢に立たされながらも、前半8分に決めた松木玖生の1点のリードを最後まで守り切った。

 気になったのは韓国メディアの視点だ。レッドカードで退場者を出しながらも1点を守り切って勝利した日本について韓国はどう見ていたのか――。今大会、日本と同組の韓国にとっては注目の試合だった。

 スポーツ・芸能専門サイト「OSEN」は「“非マナー”サッカーの日本、前半17分に主力CBの退場にも決定力ゼロの中国に1-0の辛勝」という見出しでこうまとめている。

「日本のDF西尾隆矢の左肘が中国のMFの顔面に当たった。相手が当たってきたところ、それに対してボールがないところで激しく反撃に出た形だった。プレーはそのまま流れると思ったが、VAR判定となりレッドカードが出された」

 試合中は誰でも熱くなりやすいものだが、報復行為と受け取られても仕方がない部分ではあったと思う。その中でも中国の決定力のなさに救われた、という見方もあった。

GK小久保のスーパーセーブを称賛

 それでも、数的劣勢の状況で日本を救ったのは間違いなく守備陣だろう。特に韓国メディアは、日本を救ったGK小久保玲央ブライアンのスーパーセーブを絶賛していた。

 スポーツ紙「スポーツ京郷」は「GK小久保のスーパーセーブショーが退場のトラブルから日本を救った」と見出しを打ち、「GK小久保のセーブが光った。後半2分、中国がカウンターから抜け出しGKとの1対1の場面でシュートコースを狭めてストップ。さらに後半28分、中国のCKからゴールを狙ってきたところ、ギリギリのところで防ぐなど、失点の危機を何度も救った」と伝えている。

 韓国メディアは神セーブを連発したGK小久保のパフォーマンスを評価しつつも、一発退場となったシーンについては、軽率な行為と見ているようだった。

 一方、韓国はUAEとの初戦を1-0で勝利。次戦の中国(19日)に勝利し、大一番となる22日の日本戦では、固い守備からゴールをこじあけることができるのかに注目したい。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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