イチロー、ポケモン、安倍総理!? アメリカにおける日本の認知度を探る
8割超が「トヨタ」「ソニー」が好き
日米関係が緊密な状態にあったとしても、お互いの国の内情をすべて知り尽くしているわけでは無い。米民間調査会社Pew Research Centerが2015年4月に発表した調査結果「Americans, Japanese: Mutual Respect 70 Years After the End of WWII」から、アメリカの人における日本のあれこれに関する認知度を確認していく。
次に示すのは日本に係わる固有名詞を挙げ、それについて知っているか、知っているのなら好きか否かをアメリカの人に尋ねた結果。選択肢の提示対象はPew Research Center側の選択によるもの。
トヨタ、ソニーは好感意見が8割超え、否定派は1割前後に留まり、知らない人もほとんどいない。ポケモンやイチローはソニー・トヨタと比べるとやや認知度は低く、知らない人もそれぞれ1割強、3割強。しかし知っている人は大よそ好意的意見を有している。
他方、日本の現首相である安倍総理、かつての首相の小泉氏、著名著作家村上氏は、いずれも「聞いたことが無い」との意見が大半で7割前後。むしろ安倍氏や小泉氏よりも村上氏の方が認知度が高い状態。
もっとも今件は世間一般に尋ねた上での回答で、緊密な関係にあるとはいえ他国の首相(経験者)などの名前をよく知らないのも、仕方がない面もある。逆の立場で考えれば、容易に理解できるはず。百歩譲って現アメリカ大統領のオバマ氏の名前を知っていても、前大統領の名前を憶えている人は何人いるだろうか。
日本に関するイメージとは
それでは具体的に、アメリカの人は日本と聞いて何をイメージするだろうか。自由回答で一つだけ答えてもらっているが、まずは代表的なものをカテゴリ別に集約したのが次のグラフ。
寿司をはじめとした食品を答えた人がもっとも多く98人。次いでビジネス部門の回答が多く、自動車や技術が続く。歴史系では第二次世界大戦(太平洋戦争)がもっとも多く、津波や福島原発が続き、真珠湾攻撃は少なめ。両国間の関係としては好意的な意見が多く、地理的な話は混雑や東京など雑多な状況が最初に思い浮かばれるらしい。
今件について分からない、回答拒否などをのぞいた具体的事例を列挙したのが次のグラフ。
寿司などの食品の圧倒的な多さが目に留まる。また自動車や第二次世界大戦、技術といった半ばステレオ的な日本のイメージに加え、先の震災に絡む情景が大きくアメリカにも記憶に刻まれていることが再認識される。
他方、日本の文化に関する調査では良く取り上げられるポップカルチャー系の素材は上位には見られず、かろうじて「美しい・カワイイ」がそれっぽいものとして最上位に見受けられる程度。
あくまでもこれは第一に想起されたもので、アメリカの人が考えている日本像のすべてではないが、大いに参考になるデータには違いない。
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